貴船口駅

今回は水神の総本宮である貴船神社と護法魔王尊が降り立った鞍馬寺を観光するミニ登山です。京都の町にある神社仏閣は紅葉真っ盛りのため、低山に逃げてきました。鞍馬山の山頂やその周囲は2018年に発生した台風の被害が残り、未整備だったりします。調べてみると、山頂への登山道は台風前から存在し、たどり着けないことはなさそうなので、山頂にも立ち寄ってみます。

まずは出町柳駅から電車に乗り、貴船口駅で下車しました。貴船神社を先に訪れてからから、鞍馬寺を逆ルートで歩きます。帰りは、終点の鞍馬駅から電車に乗って、出町柳駅へ戻ります。

貴船口駅では電車の到着に合わせてバスが到着しました。どうやら貴船神社(本宮)へ向かうバスのようで、下車した観光客で列ができていました。本宮までは歩いて30分のため、バスに乗る発想がなく、列に並びそびれてしまいました。バスに乗っても立ちが確定のため、当初の予定通り歩きます。

貴船川沿いの舗装道路を歩きます。夏には川床と呼ばれる、川の上に客席を作ってそこで料理を食べるのが有名みたいです。今は寒くなった紅葉の時期なので川床はありませんでした。

貴船神社の本宮に到着しました。貴船山の山頂を踏破する場合は、貴船口駅の1つ手前の駅である二ノ瀬駅で下車するのが一般的なようです。そうすると結構朝早くに訪れる必要があり、1日かけての行動になるため諦めました。花の時期ではないけれど、ヒメカンアオイ(ヒガシヤマカンアオイ)を探しながら歩いてみたかったです。

参道の両端に並ぶ春日灯篭と石段はとても絵になる景色で、誰もが立ち止まって写真を撮る映えポイントでした。

ちなみに聖なるパワースポットである貴船神社は、真夜中に境内で藁人形を五寸釘で打ちつける丑の刻参りの発祥の地でもあります。現在も存在するのか不明ですが、目撃しても目撃されてもバッドエンドなので、真相は不明です。

貴船神社の本宮

本宮の御祭神は高龗神(たかおかみのかみ)です。日照りの時は雨を降らせ、長雨の時は晴天をもたらす水の神様として信仰されています。貴船神社の貴船(きふね)とは、黄色い船を意味しています。神武天皇の母である玉依姫命(たまよりひめのみこと)が、黄色い船に乗って淀川からこの地に上陸し、水の神様を祀ったことが貴船神社の始まりです。

貴船神社の天乃磐船

磐長姫命(いわながひめのみこと)が祀られている結社に到着しました。貴船の山奥から出土した重さ6トンの天乃磐船(あめのいわふね)が奉納されていました。石は加工されておらず、出土された当時の形で船に見えます。

シュンラン

山野草として人気があるシュンランの結実した姿を見つけました。園芸品種が数えきれない程、市場に出回っていますが、原種が一番好きです。

アキノギンリョウソウ

こっちはアキノギンリョウソウです。ギンリョウソウモドキとも呼ばれており、光合成をしない腐生植物のため、葉や葉緑素がありません。自生地が限られる珍しい山野草に出会えました。同じ京都市内だと半木神社でも自生しているようです。

貴船神社の相生の杉

樹齢1000年以上になる2本の杉が根本で1つになったような相生の杉です。手前の切り株の切断面には沢山のエビネの葉が根付いていました。最近、山野草に出会えないとドーパミンの欠乏症状に陥っている気がします。パチンコしたいのにパチンコに行けないような、山に行きたいのに山に行けないような、あの感覚です。

もう目の前が花のオフシーズンである冬だと思うと、憂鬱です。病気的というか猟奇的な禁断症状(雛見沢症候群)の兆候が出てます。山が好きなのに、ただ山に登っただけでは満たされないこの気持ちです。

奥宮に到着しました。祭神は本宮と同じ高龗神です。ただ、一説には闇龗神(くらおかみ)であるとも言われています。けれど高龗神と闇龗神は同じ神様である説もあるようです。

貴船神社の御舟形石

御舟形石は玉依姫命が乗って来た黄色い船を石で隠したものと言われています。御舟形石の小石を持って帰ると航海安全の御利益があるとされています。参拝者が持ち帰るため、小石がほとんどありません。

奥宮本殿です。床下には誰も見てはいけないとされる巨大な龍穴が存在するそうです。

奥宮を参拝し終えたら、歩いてきた道を戻り、鞍馬寺の西門へ向かいます。ここで入山料ならぬ愛山費300円を支払います。鞍馬寺や鞍馬山はまだ台風被害が存在するため、その復興費や環境維持費だと思います。

鞍馬駅から貴船神社の方へ歩く順序と正反対なため、いきなり鞍馬寺の奥の院に到着しました。大勢の観光客と参拝準が逆です。ここ魔王殿は護法魔王尊が降り立った磐座を拝することができます。護法魔王尊はサマトクマラとも呼ばれいます。魔王の字がありますが、実際は天狗の神様です。

鞍馬寺の参道は端から端まで整備されていますが、普段山歩きをしていない人にとっては辛い階段地獄です。京都の街中にある神社仏閣は人混みで観光するのに一苦労だったのですが、鞍馬寺や貴船神社はそれと比べると天国です。それでも大勢の観光客がここに訪れていますが、人が映っていない写真を頑張れば撮影できるくらいの混雑です。

実は前日、清水寺へ開門すると同時に訪れたのですが、夜明け前なのに観光客がある程度いました。日中の禅林寺(永観堂)は最初から最後まで工場の製造ラインに並んでいる大量のジャガイモに1つになった気分でした。敷地内の茶屋では、そんな場所で一服できるのか疑問な程ひしめき合っていました。

鞍馬寺の大杉権現社

大杉権現社は、神木が倒れて社が倒壊してしまった場所です。まだ復旧していませんでした。

鞍馬寺に預けられていた牛若丸(源義経)が奥州平泉へと下る16歳の時、背を比べたと言われる背比べ石です。ここの側から鞍馬山の山頂へ続く道がありますが、霊宝殿へ下っていく方にも山頂への道があるため、そちらから向かいたいと思います。

ここが山頂への入り口です。元々整備された登山道だったと推測しますが、台風の影響で道が荒れ果てているように思います。観光客が何も知らずに入ったら危険です。

バリエーションルートのようになっていますが、倒木のテーマパークは意外と歩きやすく、ピンク色の登山テープが定期的にあるため難易度は低いです。GPSがあれば、問題はないように思います。

鞍馬山の龍神池

龍神池です。鞍馬寺は虎で有名ですが、龍もいるんですね。

龍神池にある社です。側には「洛北・鞍馬の自然を護る会」と書かれた看板がありました。ピンク色の登山テープは、この団体によって設置されたのでしょうか。テープは結構新しいものが多くありました。

GPSアプリを使って進んでいきます。「みんなの足あと」という今まで他の人が歩いてきた軌跡が地図に表示されているため、それをなぞって歩くだけです。初めて来た場所でも迷子になることはありません。

自然の威力を感じます。

鞍馬山の山頂

鞍馬山の山頂(経塚・白玉龍王大神の塚)に到着しました。標高は標高584mあります。

山頂の少し向こうまで進むと、そちらがGPSアプリでの山頂と表示されていましたが、標高がより低い場所でした。山頂の標識はありませんでした。ここで滋賀県から登山をしにやって来た女性4人組と遭遇しました。こちらは靴から頭まで観光客の出で立ちなので、びっくりされてました。山屋以外はこんな場所まで来ないだろうから、道を外れて遭難した観光客に思われたかもしれません。

展望は僅かにあります。

先に4人組が出発しました。登ってきた道をそのまま戻り、一般の参道に合流し、霊宝殿へ向かいます。出発早々、4人組が戻ってきました。どうやら下山する方角を間違えてしまったようです。少しの間だけ、先導して一緒に下山しました。山頂の周辺だけが少し迷いやすいです。

霊宝殿(鞍馬山博物館)で仏像を鑑賞したら、どんどん下山していきます。参道ではクラブツーリズムや阪急トラピックスといった旅行会社の団体が何組も列を作っていました。JTBやHISは見かけません。

鞍馬寺の本殿金堂と金剛床

本殿金堂とその手前にある金剛床です。金剛床の中心に立って、両手を広げて空を仰ぎます。そうすることで宇宙と一体化するとか。六芒星の中央にある三角は三尊(毘沙門天王・千手観世音菩薩・護法魔王尊)を意味するため踏んではいけないようです。

翔雲台

翔雲台は平安京の擁護授福のため本尊が降臨した場所とされています。本尊とは三尊のことです。

愛と光と力の像「いのち」

由岐神社には日本でただ1つ子供を抱いている狛犬があるため、安産や子授の神社として信仰があります。樹齢800年以上の杉が神木として立派に生えていました。

1607年に豊臣秀頼によって再建された拝殿は、国の重要文化財に指定されています。

鞍馬駅

鞍馬駅まで到着しました。電車に乗って終点の出町柳駅へ向かいます。始発駅なので座れますが、貴船口駅からは大勢の観光客が乗り込んでいました。

京都御所

観光時間がまだまだあったため、どこへ向かおうか思案します。まだ行ったことのない近場に決めました。まずは京都御所です。入場可能時間ぎりぎり間に合いました。紅葉の名所ではないため、大混雑とまではいきませんでした。

江戸時代初期に作庭された御池庭です。

河合神社

閉門時間ぎりぎりまで滞在した後は、河合神社に向かいました。賀茂御祖神社(下鴨神社)と同じ場所にあり、歩いて行ける程の距離で、まだ門が閉まる前です。

賀茂御祖神社(下鴨神社)

世界遺産の賀茂御祖神社(下鴨神社)で暗くなるまで滞在したら、今日の観光と登山は終了になります。

日程表