塩山駅

今回の登山する山は乾徳山です。日本二百名山ですが、近くには甲武信ヶ岳や瑞牆山、金峰山と言った奥秩父の名峰が複数あるため、そっちに登山者が流れ、乾徳山の登山人口はそこまで多くありません。岩場と鎖場が多くあるため登りごたえがあり、富士山の展望もあります。

まずはJR中央線の電車に乗って、塩山駅で下車したら西沢渓谷入口行きのバスに乗車します。塩山駅では、日本百名山の大菩薩嶺へのバスも運行しており、そちらのバス待ち行列に間違って並ばないようにします。大菩薩嶺と言ったら甲斐大和駅からバスに乗る印象が強いです。

登山地図

ルート

乾徳山登山口バス停から反時計回りに周回するルートを歩きます。人によっては8の字に歩いたり、月見岩と山頂をピストンするようです。

乾徳山登山口バス停

塩山駅では乾徳山や西沢渓谷を目指す人がバス停から大通りまで渋滞しており、バスは増便されていました。乾徳山登山口バス停で下車します。始発の便に乗ってここまで来ましたが、最終便に乗るためには、標準タイムで歩くと、今回の周回コースだと間に合いません。周囲に宿泊施設もないため、標準タイムよりも遅いスピードの人には車で来ないと厳しい山です。

けれど、山梨市駅と乾徳山や西沢渓谷を結ぶバスが存在します。そちらのバスは始発の時間は遅い分、最終バスの時刻は遅くなっています。行きは塩山駅からバスに乗り、帰りは乾徳山から山梨市駅へ向かうバス乗れば標準タイムでも安心して登山できます。

ただ、塩山駅からのバスは11月中旬までの運行のため、期間限定になります。ちなみに山梨市駅行きのバスは山梨厚生病院行きのことです。初めて地だと、駅にも寄るバスだと思わないかもしれません。

登山開始です。実は先週、乾徳山に登ろうと思っていたのですが、山頂からの眺望があるかどうか不明瞭な天気だったので諦めました。乾徳山は展望が良いため、鎖場と展望を目当てに来ています。紅葉の季節なので、植物は期待していません。先週乾徳山に登った人の記録を見てみると、やはりガスって景色が皆無でした。

植物目当ての登山なら、ガスってても気にならないんですけれども。

多くの人は徳和渓谷の方へ歩いていきますが、道満尾根へ向かいます。

吉祥寺を5秒だけ観光します。標準タイムよりも早く歩けないかつ、写真撮影で時間をどんどん削ってしまうタイプの人間のため、適宜時間管理をしながらの登山です。営業している宿がないため、タクシーは最終手段です。避難小屋の乾徳山高原ヒュッテに泊まることも考えましたが、日帰りできる山はその日の内に下山したいです。

徳和峠に到着し、ここからが登山になります。乾徳山の山頂までの標高差は1,000m以上あります。

急な登りもありますが、道満尾根は比較的登りやすい道です。木々の葉は少しずつ色づき始めていますが、赤くなる葉はなさそうです。紅葉を一番の目的ではなく、景色優先で訪れているため、問題はありません。山頂に到着するまで、富士山が姿を出したままでいてくれるのか気になります。

道満山

標高1,314mある道満山に到着しました。展望も何か気になることもありません。通過点でした。

赤松が多い場所にやって来ました。こういう所にツチアケビのような腐生植物が生えていたりすると丹沢にある堀山の家の人が言っていたのを思い出します。花の時期ではないですが一応、ラン科の葉がないか軽く見ながら進んでいきます。

車道が見えてきました。この先、幾つもの林道を横切っていきます。道の向こうに続きの登山道が見えないと、林道を進んで迷子になりそうかもしれないと思いました。

マムシグサを発見です。ありふれた植物ですが、紅葉していることに今更になって気が付きました。ちなみに、マムシグサではなく、テンナンショウと呼ぶ人がいたら植物に詳しい人なのかもと、なぜか思ってしまいます。テンナンショウ属は種類が多く、種としてのマムシグサの同定は、私には出来ません。

標高を上げていくと、十分に紅葉している場所も出てくるようになりました。

紅葉の額縁に富士山を入れてみました。家にこの額縁を持って帰れたら良いのにと思います。なんとピュアな発想なんや~と、永遠の17歳らしき発言です。何度目の17歳を迎えたのかは国家機密です。歳を質問したら、ダークウェブ送りにしますよ。

個人的には、こっちの方が個性的でお好みです。奥秩父ならではの魅力が溢れてます。

センブリを発見しました。開花した姿は初めて見ました。ムラサキセンブリやミヤマアケボノソウは見たことあったのですが、タカネセンブリやソナレセンブリなど未見のセンブリ属はまだまだ多く、色々見てみたいものです。

扇平の所まで到着しました。ここは山頂に負けないくらい素晴らしい展望地です。

紅葉とススキ、そして富士山の景色です。なんとも秋らしく、街中は霞がかっており、幻想的な世界でした。晴天でもなく、雲が景色を隠すこともなく、絶妙な天気です。こんな日を狙って訪れることは出来ないです。大当たりの日でした。

月見岩

月見岩

リンドウです。ツクシリンドウとかササリンドウとも呼ばれたりします。

手洗石

手洗石

周囲の山々を見ると、紅葉の最盛期のように見えます。ナナカマドやカエデと言った赤い紅葉は、やはりほとんどなさそうです。

ダケカンバではなく、シラカバの木だと思います。そういえばどちらも紅葉は黄色なんですね。意識していなかったので、気が付いていませんでした。

ここから、楽しい楽しい鎖場天国の始まりです。サルの気持ちになれば、どんな鎖も登れそうな気がするこの頃です。だってド天然なんだから。(必要とあらば、ビジネスド天然にもなります。)

髭剃岩に到着しました。割れ目の向こう側まで行けたら、まだまだ肥満体ではないと証明書を発行してもらえるそうです。人生でマックス体重の自分ですが、お腹を凹ませて挑戦です。

お、お腹が、岩に、挟まる!現実に打ちのめされながらも、モデル体型の自分を妄想したら、なんとか通過できました。これで、今日から私もスーパーモデルの仲間入りです。こ、これで、パリコレに出場、、、できる!(身長が大幅に足りないようです。)

髭剃岩の奥からは、絶景が待っています。

無事に髭剃岩から抜け出して、凹ませたお腹を開放します。ここの梯子は以前は木でできていましたが、金属製になっています。なんでも、徳和集落にある民宿山吹荘のご高齢の女将さんが手伝ったのだとか。今は宿は営業していません。

すぐ側に岩があったのですが、そこで登山ガイドが5人の客を岩の上まで案内していました。実は塩山駅で客を自身の車に案内している姿を見かけていました。そのガイドは今村量紀さんでした。北岳山荘や上高地でも見かけたことがあり、3度目の遭遇です。3回とも山域が異なります。青いターバンに青いシャツ、青いリュックと一目で誰だか分かる姿です。単純に青い色が好きなのか、戦略なのか見かける度に気になっています。遭遇する確率の高さから、田中陽希さんよりも気になる存在です。

カミナリ岩は2段の鎖場になっています。まずは1段目を通過します。

2段目は2本の鎖が並列しており、右側の鎖が難易度低いです。

胎内岩です。こんな場所にヒカリゴケないかと探すも、見つかりませんでした。ここら辺だと、雁坂小屋の周辺にヒカリゴケが自生しているそうです。

鎖の代わりにロープです。消防士になったつもりでロープ訓練の真似事を想像しながらも、怪我しないようにちゃんと登ります。おふざけ1割、本気9割です。蕎麦は10割蕎麦がお好みです。

まだ山頂ではないですが、綺麗な景色が広がっていました。

雲の隙間から漏れる太陽光と霞が絶妙な光景を創作しています。甲府市を含む甲府盆地の地形が良く分かります。地図で見てもさっぱりの地理・社会。現物を見る経験が一番です。

翌日は「甲州市およっちょい祭り」が開催され、塩山駅など交通制限があるそうです。乾徳山へのバスも影響を受けそうです。そんなことを知らずに乾徳山へバス利用する登山者がいそうです。そこまで考慮して登山計画を立てるのはかなり難しいと思います。

最後の大ボス、鳳岩です。約20m程の鎖場を登れば山頂ですが、鎖場を避けて迂回路でも山頂へ行けます。鳳岩の鎖は、登りで使う分には難易度は高くないので、鎖経由で山頂に行きました。

乾徳山

標高2,031mある乾徳山の山頂に到着しました。日本二百名山かつ山梨百名山を1つ制覇になります。だいたい標準タイム通りに来れました。

金峰山が見えました。五丈岩があるので、同定が簡単な山です。山頂の紅葉は10月頭だったので、今はみずがき山自然公園が紅葉の最盛期だと思います。今日明日の土日は天気が良いため、今年一番の人混みだと思います。それに比べて乾徳山は人が少なく、ストレスフリーです。

一番遠くには甲武信ヶ岳が小さく見えました。一番左の大きな山が黒金山です。他にも南アルプスの山々なども見える最高の展望台でした。

山頂は狭いため、更に奥に進んで昼食にします。乾徳山の山頂と富士山を見ながらの昼食です。山頂での写真撮影時間が長引いたこともあり、下山を開始する時には、最終バスに間に合うかギリギリの時間になってしまいました。最終バスというのは塩山駅行きではなく、それよりも遅い時間の山梨市駅行きのバスです。本当の最終バスに標準タイム通り歩くとギリギリ間に合わないかもしれない時間です。

急げる時は急ぎながら進むことにします。果たして間に合うでしょうか。登山途中や山頂などで出会った2人組の女性登山者と何度か話す機会があったのですが、出来たら塩山駅行きのバス、間に合わなければ山梨市駅行きのバス、本当にダメならタクシーを使うと言ってました。もしお互いタクシーなら一緒に乗る口約束をしたのですが、お互いバスに間に合うことを祈ります。ちなみにお互いに迂回下山道経由で下山する予定で、こちらが一足早く下山を開始しました。

ツバメ岩です。燕岳にはイルカ岩がありますが、乾徳山にはツバメ岩があります。背中に羽を付けて、右を向いているように見えますね。イルカ岩の名付け親は知りませんが、ツバメ岩の名付け親は知っています。

It's me.

黒金山との分岐点に来ました。ここからは鎖場はありませんが、人があまり来ないためか、浮き岩が一定数あります。ピンクリボンが多いため、道迷いにはなりません。

岩で滑ったり、落ち葉で滑ったりすることもありますが、怪我なく下っていきます。

紅葉に魅せられて、ぼーっとしていると、、、ハッ!時間は大丈夫だろうか。

ひたすら下り続けると、平坦な登山道に変わっていきます。ここは小走りで時間を稼げました。

乾徳山高原ヒュッテに到着しました。ここから1分弱進むと国師ヶ原十字路になります。そこから乾徳山登山口へ向かいます。

美味しそうな鹿肉の親子が通り過ぎて行きました。

乾徳山登山口まではすごく歩きやすく、山梨市駅行きのバスに間に合えば御の字と思っていたところ、それよりも早い出発時刻の塩山駅行きのバスに間に合いそうなことが分かりました。

乾徳山登山口に到着したら、乾徳山登山口バス停まで歩きます。塩山駅行きのバスに乗れることが確定したので、帰りの特急電車「あずさ44号」のネット予約を済ませます。残りの空いている座席が僅かですが何とかゲットです。

帰りのバスは西沢渓谷始発ですが、この時間に始発から乗る人はほぼいないため、ガラガラでした。おかげでバスでは、座ることができました。塩山駅に到着してから、駅で「あずさ44号」の予約していた同じバスの乗客は、特急電車の座席が満席で、立ち乗車になっていたので、予定が確定したら即行動が大事だと勉強になりました。

日程表