今回登山する山は、関東百名山やかながわの景勝50選に選ばれている大楠山です。衣笠山まで道が繋がっており、衣笠山も一緒に踏破します。実は、ここ横須賀市を始めとする葉山町、逗子市、三浦市がある三浦半島は三浦アルプスといった数々の低山があり、そして海に近いことから、半島特有の植生があると言われています。
まずは逗子駅からバスに乗って、前田橋バス停で下車しました。大楠山へは前田橋コースの他に、大楠芦名口バス停で下車する大楠芦名口コースがあります。
ルート
バス停がある大通りのすぐ脇道を進んでいきます。前田橋を通過します。前田川には、ヒラテテナガエビやハゼの仲間であるシマヨシノボリが生息しています。どちらも在来種です。小さい頃はカブトエビやタイコウチといった生き物を探した記憶があります。
今回は生物ではなく植物探しです。山野草を求め、三浦アルプスなど歩いたことがあるのですが、その延長上の登山になります。ハイキング感覚で登ることもできる山です。
尾片瀬橋を渡ります。前田橋バス停から大楠平の山頂までは3.3kmです。
ちなみに、前田橋バス停から徒歩で行ける立石公園は、おすすめの景勝地です。浮世絵にような景色があり、大楠山と同様にかながわの景勝50選に選ばれています。
よく整備された木々の中を進んでいきます。涼しい春や秋は森林セラピーに良さそうな場所ですが、夏は低山ゆえの蒸し風呂登山になりそうです。冬は空気が澄んで山頂からの展望が良いので、富士山も見えそうです。
カワラタケかと思っていたのですが、ウチワタケのようです。似ているキノコとしてカイガラタケもあります。
大楠山レーダー雨量観測所までやって来ました。山頂まではもうすぐです。
三浦半島は丹沢と違ってヤマビルが生息していないので良いですね。ヤマビルの繁殖に欠かせないシカが存在しないことの証みたいですが、江戸時代にはシカがここにも生息していたようです。かつては絶滅の危機にあったシカは、今ではシカの食害による植物の多様性の危機にあります。丹沢では被害が甚大です。
三浦半島最高峰である大楠山の山頂に到着しました。標高は242mあります。山頂にはお菓子やドリンクが売っている大楠山ビューハウスやトイレもあります。広場になっており、幾つもあるベンチでは多くのハイキング客が昼食を食べていたので、昼食タイムにします。
展望台からは東京湾に浮かぶ唯一の無人島、猿島が見えました。横須賀と言ったら、海軍カレーとスカジャン、そして猿島の三拍子のように思います。記念艦三笠も忘れてはだめですね。
ゴルフ場(葉山国際カンツリー倶楽部)のわき道を通過します。
ホトトギスの群生を見つけました。
定期的に衣笠山への道標がありますが、一部GPSがないと迷子になりかねない場所などもあります。
市プラスチック類減容固化施設の側にあるトイレまでやって来ました。下山して街中に戻ってきたような景色かもしれないですが、まだまだ山道は続くことになります。
熟する前の緑色のドングリ発見です。ドングリクッキーなんてものが日本にはありますが、灰汁抜きが必須です。
一瞬迷子になりかけながら、進むべき入り口を見つけました。
横浜横須賀道路を越え、衣笠城跡を突き進み、痩せ尾根のような場所を通過し、ようやく神奈川県道27号横須賀葉山線まできたら、ここから衣笠山への登山開始になります。
標高134mある衣笠山(衣笠山公園)に到着しました。春には桜が咲き、花見客がここ衣笠山公園に多く訪れるようです。
横須賀の街並みと海上の景色がありました。
なんだか植物探しの登山なのに、植物の話をほとんどしないでここまで来てしまったように思います。探していた植物は全てを見ることはできなかったのですが、コクランがありました。三浦半島はあちこちにコクランがあるようなことを聞いたことがあります。
衣笠山から衣笠駅まで無事に下山を完了しました。衣笠山には時期は異なりますが、クマガイソウやムサシアブミ、シュンラン、ネコノメソウ、キッコウハグマ、カントウカンアオイなどが見つかります。クマガイソウは植栽なのか自生しているのか気になるところです。山野草の多い山ですね。