富士見平小屋からは富士山が見えます。今日は5時にはテント場から出発し、金峰山を目指そうと考えていました。しかし予想以上の寒さで、6時の出発になってしまいます。朝食は西尾のごはん(アルファ米)です。朝、お湯を沸かして朝食の準備だけしました。展望のある大日岩で食べようと思います。

今日の見どころは紅葉や山の景色だけでなく、ホシガラスやコフタバラン、カベンタケ(モドキ)といった動物、植物、キノコなどがあります。

登山地図

ルート

今日の予定は富士見平小屋テント場から、金峰山の山頂まで登ったら、金峰山小屋経由でテント場まで戻り、みずがき山荘からバスに乗って帰宅します。

シャクナゲの木に囲まれた登山道です。6月中旬が満開になり、混雑するのでしょうか。

大日小屋に到着しました。テント場になっていますが、水場はなく沢の水のみです。テントを設営するにはあまり適していないのと、廃墟のような大日小屋があるため、実際にここで宿泊した登山者はもういないのではないでしょうか。

鎖場がでてきましたが、まだ序の口です。山頂直下の岩場が高難易度でした。

シャクジョウソウの群生がありました。今回の登山では、ここでしか見かけませんでした。光合成をしない腐生植物です。

シャクジョウソウの果実です。綺麗なベージュ色のままの姿でした。すぐ黒くなってしまう印象があります。

大日岩までやって来ました。ここからクライミングする人もいるようですが、巻き道で通過します。

大日岩のより標高が高い場所までやって来ました。ここから岩の向こう側にある小川山へも行けるようです。山梨百名山にもなっており、金峰山荘から登る人が多いようですが、アクセスが悪いように感じます。

朝食はドライカレーです。朝、お湯を入れて来ましたが、まだ温かく、アルファ米も普通の白米に戻ってます。山で食べる温かい食事は、気持ちが違います。

南アルプスを眺めながら食事です。どの山頂が何という名前か同定できるでしょうか。

仙丈ヶ岳と甲斐駒ヶ岳が見えているでしょうか。違う気がするような、そんな私は南アルプス初級者です。

手前に鳳凰三山、後ろに北岳と間ノ岳でしょうか。こっちは自信あります。食事を終えたら、金峰山を目指して歩き始めます。

瑞牆山や金峰山の山域にはミヤマフタバランが生息しているそうです。こちらはコフタバランだと思います。既に種子を飛ばしていました。

実は最近、テレビ番組「有田とカレンと売る人と買う人」で、このホームページの写真が使用されることがありました。ホームページに写真の使用について問い合わせがあったのが事の始まりです。番組放送まで1週間だったので、ギリギリまで映像を作っているんだと思った出来事です。

カベンタケ(担子菌)もしくはカベンタケモドキ(子嚢菌)です。顕微鏡で胞子を観察しないと見分けられないキノコです。見た目で判別できないキノコがいてるなんて、奇想天外なことだがね。キノコはユニークな名前がついていることがあり、死者の指(マメザヤタケ)とか死者のトランペット(クロラッパタケ)など存在します。

キノボリイグチです。キノコの裏面(ひだ)がスポンジみたいだったら、〇〇イグチと呼ぶキノコとのことを教わりました。ダーマ神殿でキノコ判定士レベル1に転職したばかりです。経験値が2アップしました。レベル2になるに、残り必要な経験値は998です。

ここからは稜線歩きになります。この断崖には「千代ノ吹上伝説」が存在します。当時女人禁制だった金峰山に夫婦で入山した結果、ここで妻の千代が滑落してしまいます。夫が山頂の祠で7日間の断食をして、女人禁制の山に入ったことの許しを祈ると、谷底から吹き上げる風によって千代が戻って来たという話があります。

金峰山小屋と山頂への分岐に来たら、山頂方面へ歩いていきます。ほどなくして難易度の高い鎖場や岩場が連続して出てきました。小さな子供連れの場合は、金峰山小屋へのルートを選んだ方が良いと思います。金峰山小屋経由の山頂ルートは鎖場がなく、危険が一定以上ある岩場もありません。

一気に秋を感じる景色になってきました。これからもっと紅葉が綺麗になるのでしょう。

富士山も見えています。今年、富士山の山頂にある山小屋に宿泊予約をしたのですが、台風であえなくキャンセルになりました。車があれば、日帰りの弾丸登山は比較的簡単に有言実行できそうですが、電車とバスだけで登頂しようと考えると、なかなか機会を設けるのが難しい。

昨日登った瑞牆山があんな小さく見えています。人の足って、徒歩だけで結構遠くまで行けるんだね。って思わせてくれる瞬間です。

自然の額縁に収めた富士山がお気に入りです。

標高2,599mある金峰山の山頂に到着しました。金峰山は山梨県側では「きんぷさん」、長野県側では「きんぽうさん」と言うらしいですが、他県民の私は、ごちゃまぜにして言ってます。どっちも言ってます。白馬岳も「はくばだけ」と「しろうまだけ」どっちも言いいます。

富士山と五丈石です。五丈石は甲府市御岳町金櫻神社の境内にあり、金櫻神社によって岩に登る事は禁止されています。ただ、NHK BSの「にっぽん百名山」で登山ガイドとタレントが五丈石に登る企画が放送・再放送されていたり、五丈石に登る動画がネットに幾つも存在している等のためか、登ってしまう人や、穴を空けたり、落書きをする人がいるんだとか。

五丈石(五丈岩)は神霊の宿る岩として厚く信仰されてきたとあるので、岩に登ることは神様の頭の上に乗っかるということなのだと理解しています。

瑞牆山と金峰山の紅葉の見ごろは例年10月中旬から下旬になります。

ホシガラスが飛んでいました。奥秩父の山域にもいるんですね。イワヒバリは見かけませんでした。

遠くには甲武信ヶ岳と木賊山が並んでいます。そして稜線はまだまだ続いており、瑞牆山から雲取山まで繋がっています。夢のある縦走路ですね。

山頂は次第に混み、ちびっ子も増え、幼稚園生の孫に振り回されるおじいさんを見届けたら、金峰山小屋まだ降りていきます。

途中で団体ツアーのグループとすれ違いました。ガイドがどの山頂が何と言う山なのか説明してました。私は実際にその山に登って、その山を理解するタイプなので、まだ登山経験が浅い南アルプスの山の名と山の姿を説明されても、暗記できずに忘れてしまう気がします。テレビで登ったことのない山の番組は、鼻をほじりながら観るけれど、実際に登ったことのある山は正座して観る感覚に似ていますね。(実際に鼻はほじりません。)

金峰山小屋に到着しました。ここは夕食が美味しいと評判ので、1度宿泊してみたい山小屋です。ワインとデザートのメロン。そしてメイン料理は肉だけど、おかわりはカレーになるという食事内容です。

山小屋で無料配布の登山カードはゲットしました。山カードとも呼ばれ、山の中で警察が配布していることもあります。持参している枚数はまだ少ないですが、地味に集めています。ダムカードやマンホールカード等の収集癖がある人にとってはお宝かもしれません。

金峰山小屋経由のルートは、行きと異なり歩きやすいです。展望が劣っているため、すれ違う人もほとんどおらず、日焼けの心配が不要な日陰メインです。

このまま富士見平小屋まで戻り、テントを片付け、みずがき山荘を14:20に出発するバスに乗って帰宅しました。この日は、1時間後のバスに大量の下山客が乗車するとのことで、私が乗ったバスは増便されず、ぎゅうぎゅう詰めでした。1時間20分ずっと立ちっぱなしだったのはキツイですね。特に1時間を経過すると、足に疲労を感じます。