今回は久しぶりのテント泊登山です。富士見平小屋にテントを設営して、1泊2日で瑞牆山と金峰山に登ります。富士見平小屋のテント場はテント泊デビューやテント泊初心者にお勧めであり、人気があります。金峰山の山頂では紅葉が始まったようです。また富士見平小屋の名物料理、鹿肉ソーセージも楽しみです。

まずは電車で韮崎駅に来たら、バスに乗り換え、1時間ほど乗車して終点のみずがき山荘に到着しました。紅葉の最盛期はまだですが、登山日和だけあって、駐車場は大混雑でした。テント場は予約不要なので、行きたいと思った時に行ける山です。

登山地図

ルート

1日目は瑞牆山荘(みずがき山荘)から富士見平小屋に向かい、テントを設置したら、瑞牆山へ登頂します。テントで1泊したら、2日目は金峰山に登り、テントを撤収して瑞牆山荘からバスに乗って帰宅する予定です。

食事は基本的に持参しており、重たいリュックを担ぎ上げます。実は、富士見平小屋にテント泊登山をするのは2回目です。その時は甲武信ヶ岳まで衣食住をリュックに詰め込んで、歩き通しました。テントは2年ぶりの使用になり、そこまでの体力はありません。事前にテントやシェラフにカビや穴がないことを確認しています。

瑞牆山の紅葉

ベンチと展望がある場所まで登ってきました。バスの車内では何とか座れましたが、増便され、車内はぎゅうぎゅうに詰め放題でした。登山道も団体が多く、静かで平らなテント場を確保できるか気になります。今の主流は、1グループに1テントではなく、1グループだけどテントは1人1人別々です。

瑞牆山は昔、地元の人から瘤岩(こぶいわ)と呼ばれていました。広大な樹林の中から姿を見せる岩峰は迫力があります。

テント場直下にある水場まで来ました。水道水と違って美味しいですが、とにかく冷たいです。お腹が弱い人は一度沸騰させた方が良いと思います。

富士見平小屋

富士見平小屋に到着しました。1人1000円の幕営料金を支払ったらテントを設営します。小屋に素泊まりすると7000円なので、6000円の節約になります。テント装備一式に費やした金額を考えると、そろそろ元が取れてほしいです。テント泊を始めてからちょうど10泊目だった気がするので、もう2~3泊でチャラだと推測します。

富士見平小屋は山小屋OL殺人事件の舞台ですが、登山客が多いので心霊現象の噂は聞きません。個人的にここから金峰山へのルート上にある大日小屋が怖くて苦手です。

富士見平小屋テント場のテント

へたくそなテント組み立てのせいで、見栄えは悪いですが、一応寝床は完成しました。ここが初めてのテント泊におすすめの理由は、稜線ではなく、樹林帯なので風がないことです。フライシートをシワなく張れなくても、ペグ打ちが甘くても問題ありません。強風でテントが飛ばされることも、フライシートが強風で大きな音を立て、不眠になることもありません。イノシシが夜中にテント場を猛スピードで通過することはあります。

1つ気になるのが、イモムシの多さです。頭上から糸を垂らして、振り子のように自ら体を揺さぶって、くっ付く人間を探していました。

テント場のベンチで昼食を食べたら、瑞牆山へ出発します。みずがき自然公園から不動滝を経由して山頂を目指すコースも歩いてみたいですが、時間の関係でテント場と山頂をピストンになります。なので、瑞牆山の人気スポットになっているカンマンポロン(不動尊大日如来)を観光することは、今回できません。岩弘法大師が刻んだと言われているカンマンポロンの梵字があるのは、不動滝経由コースになります。

標高を下げ続けたら、天鳥川を渡渉します。ここら辺には元からいるヤマトイワナと放流されたイワナが混在して生息しているようで、登山者だけでなく釣り師にも人気のようです。ちなみにどこでかは不明ですが、団体グループの1人が沢の水を飲んでお腹を壊し、翌日の金峰山登頂を1人だけ諦めたようです。

桃太郎岩からはひたすら登りになり、鎖場も出てきます。ただ、未就学児を連れた家族登山者を瑞牆山と金峰山で何組も見かけたので、難易度は高くないように思います。

ここで1つ質問があります。桃太郎岩はぱかっと割れていないので、まだ桃太郎が岩の中にいるのでしょうか?

1枚岩の鎖場が登場しました。夏の花は既に姿を消し、紅葉もまだの瑞牆山では、歩きながら見るものがあまりないように思います。

ここも同様な岩と鎖です。テント場から山頂までは標準タイムが2時間で、登りの累積標高は550mあります。重たい荷物はすべてテントに置いてきて、軽いサブザックで登っているので、ハイキング感覚で登れます。

大ヤスリ岩の目の前まで到着しました。何かに似ているけれど、何に似ているのでしょうか。自分に「童心に戻れ」と暗示をかけ続けること5秒。スフィンクスの横顔(左向き)に見えてきました。やったね!

桃太郎岩経由のルートと不動滝経由のルートが合流する分岐まで登ってきました。山頂までは10分です。では、下山を開始しましょう。

... ... ツッコんでもらえました?人生最大の渾身のボケです。スカッ♪(空振りによる心神喪失)

瑞牆山

標高2,230mある瑞牆山の山頂です。日本百名山の1座です。富士山は雲に隠れてしまいましたが、八ヶ岳や金峰山などの山の景色はバッチリ見えていました。山梨百名山の標識はありましたが、以前は隣にあった日本百名山の標識はありません。どうやら古くなって、山頂にある樹林帯の場所に移動されてました。

瑞牆山にはオコジョが住んでいます。頂きで目を大きく開き、神通力が身体からあふれ出しているような形相でひたすら願います。「オコジョに会いたい。オコジョに会う。オコジョに合わなければならない。オコジョに会う運命(さだめ)!」

結果としてオコジョには遭遇できませんでした。(;´д`)トホホ、ホトトギス、ギスギス、イギリス、なななな~、なななな~♪なんと素敵な平城京~♪

世代ギャップが明白に露出してしまったかもしれません。あ~い、とぅいまて~ん。

よく分からない方へ脱線してしまいましたが、向こうには八ヶ岳連峰が見えています。八ヶ岳には標高日本一の露天風呂である本沢温泉ありますが、まだ訪れることができていない場所です。

金峰山

明日登る金峰山が見えていました。瑞牆山の山肌も若干紅葉してました。写真の中央部、金峰山の山肌にはシックスパックのような腹筋が見えてました。ここがマッスル界の聖地巡礼地となる日も遠くなさそうです。

老若男女、高校の登山部や山岳会など山頂は溢れるくらいの人混みだったので、下山します。

シャクナゲが至る所で繁殖しています。瑞牆山や金峰山では、アズマシャクナゲ、ハクサンシャクナゲ、キバナシャクナゲの3種類が存在します。時期が変われば、他にもコイチヨウランやベニバナヒメイワカガミ、ヒメミヤマウズラなど珍しい植物にも出会えます。

毒キノコであるベニテングタケを見つけました。実はおいしいキノコらしく、茹でて塩付けにすることで毒を抜き、食べることができるらしいです。長野県上田市の菅平地区にそんな風習があったんだとか。

アキノキリンソウです。ミヤマアキノキリンソウと似ています。

ダイモンジソウです。ミヤマダイモンジソウと似ています。

今日の登山で見かけたラン科ツレサギ属の植物です。キソチドリでしょうか。

富士見平小屋に戻ってきました。ジビエ料理が有名な場所です。小屋の中にはトイレはなく、小屋の宿泊者はテント宿泊者と共用の野外トイレを使うことになります。男女ともに1つしか便器がないため、女子トイレは大渋滞する時間帯もあります。

富士見平小屋の鹿3種ソーセージ

鹿3種ソーセージを注文しました。一番よく売れる商品ではないでしょうか。プレーン、竹炭のチョリソー、山椒の3種類の味です。鹿肉のみですが、臭みはありません。個人的にプレーンが一番美味しいです。豚のラードが入っていないので、市販のソーセージばかり食べている人にとっては物足りないかもしれません。

富士見平小屋の猪ソーセージ

ちなみに、こちらが以前富士見平小屋で食べた猪肉のソーセージになります。鹿の方が美味しいように感じました。

夕飯はカレーにしました。山で調理する時間やそのために荷物が増えることが好きではないため、お湯を沸かして食べられるものが自炊の定番になっています。

暗くなってきたら就寝しました。翌日は金峰山へ登頂します。今日のテント混雑状況はまだ余裕がありました。おかげで、隅っこかつ平坦で石の少ない場所にテントを張れたので、ぐっすり眠れそうです。