白馬岳の登山地図

ルート

白馬岳山頂からの日の出

今日は劔岳や杓子岳、白馬鑓ヶ岳の展望台である丸山に寄り道してから、白馬山荘から白馬岳を登頂し、白馬大池山荘で昼食を食べ、栂池高原へ下山します。雷鳥坂でライチョウに、白馬大池でクロサンショウウオに出会うことができるでしょうか。

宿泊した白馬山荘で目を覚ますと、前日の頭痛は消えていました。体調も良いため、白馬岳山頂で日の出を鑑賞しました。

白馬岳からのモルゲンロート

モルゲンロートで赤く染まる白馬三山(白馬岳・杓子岳・白馬鑓ヶ岳)と劔岳です。実は、村営白馬岳頂上宿舎に宿泊した前回は、丸山の近くの岩場で朝陽を見ました。その時は位置的に、赤く染まる白馬岳の岩壁を見ることが出来ませんでした。その後悔がずっと残っており、今回は白馬岳の山頂でモルゲンロートに染まった景色を見ると決めていました。

白馬大雪渓

眼下には昨日登ってきた白馬大雪渓が見えました。栂池高原から登り、白馬大雪渓へ下山する逆回りルートを今回歩こうか考えていました。しかし雪渓の先にある猿倉から白馬八方バスターミナルや白馬町バス停へのバスは、8月下旬になると土日祝のみ運行でした。今日は平日の月曜日だったので諦めました。

逆回りルートなら、1日目の雨やガスなどによって、視界の悪い雷鳥坂でライチョウに出会えていたかもしれないのと、朝から天気の良い2日目に開花したシロウマリンドウを見れたかもしれません。

影白馬岳

朝食が待っているので急ぎ足で山小屋スタッフに戻ります。道中、影白馬岳を見れました。

白馬山荘の食事(朝食)

朝食は他の山小屋と変わりありません。朝食の白米は、夕食よりも劣化した味になってしまう山小屋が多いですが、そこまで分かりませんでした。味付きのめかぶで白米を平らげます。

白馬山荘のコロナ対策

食事処は宿泊者のグループごとにアクリルパーテーションを設置してあるため、コロナ対策は安全です。村営白馬岳頂上宿舎の食事処はパーテーションが皆無でした。今日の帰りのバスは午後4時10分に栂池高原バス停を発車します。時間に余裕があるため、杓子岳の方面へ少し寄り道し、剱岳の展望台になっている丸山を最初に目指すことにします。そして白馬山荘へ戻ってくるため、荷物は山小屋に置いておきます。

白馬岳からみた八ヶ岳と富士山

朝食を食べたら軽い装備で丸山を目指します。雲海の先には八ヶ岳や富士山が見えていました。本州では目の前に見えている八ヶ岳と、ここ白馬岳だけにツクモグサやウルップソウが自生しています。今年は八ヶ岳で初めて見頃のツクモグサに出会うことができました。この後、チングルマの花穂みたいなツクモグサに出会うことになります。

白馬岳

瞬間移動したかのように丸山に到着しました。標高は2,768mあります。北アルプスの女王と呼ばれる燕岳よりも標高が5m高いんですね。360度の展望があります。白馬岳の山頂や白馬山荘が遠くに見えました。

杓子岳と白馬鑓ヶ岳

杓子岳と白馬鑓ヶ岳です。

剱岳

剱岳の雄姿です。白馬岳の山頂からだと、壮大な景色が見れますが、その代わりにちょっと迫力に欠けます。

イワツメクサ

イワツメクサです。白馬山荘に戻ったら出発します。戻って来た時には多くの登山者が既に出発しており、静かでした。

朝陽を見た山頂を、もう一度訪れます。昨日の登頂を含めて2日間で3度目の白馬岳山頂です。訪問時刻が異なれば、同じ景色でも全く異なる印象です。

これから歩いていく稜線です。稜線上にある小蓮華山の山頂あたりが、荒々しい白馬岳の景観を見るのに最適な場所でしょうか。

シコタンハコベ

絶滅危惧Ⅱ類のシコタンハコベです。赤い葯が特徴で、似ている花のミヤマハコベは白い葯です。

ツクモグサの花穂です。こんな姿になってしまうと、登山者に見向きもされずに忘れ去られてしまう気がします。咲き始めの小さなヒヨコの姿に似ている時は、誰もかれもが釘付けになっていた花です。

手前の鉢ヶ岳の左には長池、鉢ヶ岳の奥に日本二百名山の雪倉岳、その奥に日本三百名山の朝日岳です。早起きして、白馬山荘を出発し、雪倉岳をピストンしてそのまま栂池高原へ下山する女性に出会いました。あっという間に抜かしていきます。標準タイムは10時間なので、とても真似できません。

トウヤクリンドウ

トウヤクリンドウは天気が良いので花が開いてくれました。それでも閉じたままの個体も多くいました。

ミヤマコゴメグサ

ミヤマコゴメグサ

小蓮華山に到着しました。標高2,766mあり、新潟県最高峰とのことです。山頂は複数の県境だったりすることが多く、どの都道府県に属するのかよく分からないことが多いです。

小蓮華山は、以前は3m標高が高かったようですが、雪崩や地震の影響で2008年に標高が変わっています。標高は国土地理院の計測によって正式決定しますが、日本で3番目に標高が高い奥穂高岳と間ノ岳は、現在本当に標高が高いのはどちらか気になります。この話をすると、YAMA HACKというサイトが、間ノ岳が奥穂高岳より標高が1m高くなったと冗談を書いて、炎上した記憶が蘇ります。エイプリルフール記事でしたが、記事が掲載された当時は、エイプリルフールだと分かる記載内容でなく、後に記事を修正しています。

小蓮華山の山頂に来て、ようやく白馬大池が見えます。クロサンショウウオに会えるだろうか。

荒々しい岩壁を見せる白馬岳です。時間が遅くなってしまったので、下からガスが沸き上がり、姿が隠れてしまうかと思っていたのですが、なんとか持ちこたえてくれました。

船越ノ頭は小休憩したら、先へ向かいます。

雷鳥坂に到着しました。天気が良く、じっくりライチョウ探しが出来ず、ライチョウには出会えませんでした。ホシガラスが何羽も飛んでいました。NHKドラマ「坂の上の雲」のエンディングのロケ地とのことですが、そんなドラマを全く知りませんでした。大河ドラマよりも桁違いの製作費がかかったドラマらしいです。

白馬大池山荘のダイニチアザミ

白馬大池までようやく到着しました。ダイニチアザミの大群生で、秋の気配がします。このアザミは白馬大池が基準産地になっている日本固有種で、日本に存在する150種以上のアザミの中で、近縁なアザミが存在しません。今日通ってきた小蓮華山は大日岳と呼ばれていたことがあり、そこから名付けられています。

白馬大池山荘のジャンバラヤの食事

白馬大池山荘で昼食にします。他の山小屋では見かけない、ジャンバラヤを注文しました。冷凍食品を電子レンジで解凍するだけなので、注文してすぐに食べられます。酸味、辛味、塩味が食欲をそそります。冷凍食品の良いところは、お米が不味くないことです。標高が高い山小屋の一部では、夕食や朝食で提供される白米が、どんなにポジティブ思考でも口に合わないことがあります。

白馬大池山荘に宿泊したことないので、この小屋の白米の評価はできませんが、村営白馬岳頂上宿舎と白馬山荘の白米は美味ですので、ご安心ください。

クロサンショウウオ

白馬大池でクロサンショウウオの幼生を見つけました。日本固有種で準絶滅危惧種に指定されています。今回の登山では結局ライチョウに会えずじまいでしたが、代わりに姿を見せてくれました。

白馬大池山荘から自然園駅までは標準タイムが2~3時間あります。そこから20分に1本のロープウェイと、随時乗車できる代わりに乗車時間が20分かかるゴンドラリフトに乗って、ようやく帰りのバス停に到着できます。次第に時間に余裕がなくなってきたので、急げそうな場所は急ぐことにしました。白馬大池の反対側まで来ました。

標高3,026mある日本百名山の乗鞍岳ではなく、標高2,436mの白馬乗鞍岳に到着です。

雪渓

本日最初で最後の雪渓は、ゆっくり進みます。昨日、小屋の乾燥室で軽アイゼンを乾かして綺麗にしてあるため、使わずに通過します。

雪渓を渡ると、大きな岩をぴょんぴょんと下って行きます。天狗原と呼ばれる湿原が見えてきました。

とある登りのグループに道を譲った時、最後尾の男性の足元を見てみると、なんと登山靴のソールが剥がれていました。一度も使ったことがないけれどお守りとしていつも持参している結束バンドを2本手渡しました。結束バンドは100円ショップで買った安物で、ザックの中でずっと眠ってました。私の登山靴はcaravan(キャラバン)と呼ばれるメーカーのもので、他の登山者と被りがちです。表面がボロボロになってもソールが剥がれないのは優秀です。

ショウジョウバカマ

大量のショウジョウバカマが存在している中、この個体だけは咲き残っていました。

ミツバオウレン

結実したミツバオウレンです。花がとても似ているバイカオウレンやミツバノバイカオウレンと共に、どれも花はまだ見たことがありません。今年は大菩薩嶺にバイカオウレンを見に行こうか思案しながら、机上の空想のままガスが抜けた風船となりました。なんと分かりにくい遠回しな比喩やら。

天狗原

天狗原に到着しました。ベンチがある場所で男性2人組が立ち止まっていました。どうやら連れのもう1人の男性を待っているようです。そういえば同じ山小屋にこちらの3人組が宿泊していました。遅れている男性はご年配の男性ガイドに付き添われ、ストックの使用についてアドバイスをもらいながら牛歩のごとく歩いているのを見かけました。疲労遭難しそうな様子で目立っていましたが、ガイドがいたためスルーしました。奇妙な組み合わせの2人組だと思ったら、ご年配の方はガイドではなく、見るに見かねてヘルプしてくれた通りすがりのスーパーマンだったとは人徳に溢れていますね。置いていかれた男性が合流するまで30分以上はかかりそうでした。

イワショウブ

イワショウブは淡紅色を帯びて白色とのコントラストが美しいです。

オニシオガマ

オニシオガマは日本海側に分布するため、今まで出会うことがありませんでした。初めましてです。

オヤマリンドウ

オヤマリンドウ

栂池自然園

栂池自然園に到着しました。ロープウェイは0分、20分、40分に出発します。ここから徒歩5分なので、3時ちょうどに間に合うことができました。

栂池ゴンドラリフト

栂池高原バス停からガラガラのさわやか信州号に乗車して無事に帰宅しました。

高速道路では最初の休憩場所が梓川サービスエリアと聞き、ファミリーマートで夕食のお弁当が買えると期待したのですが、あいにくの満車で、諏訪湖サービスエリアになってしまいました。次の休憩場所の談合坂と、ハズレくじを引いてしまう結果です。個人的に一番の当たりサービスエリアは、釈迦堂です。ここは安くて美味しいお弁当が数種類売ってます。