登山地図

ルート

今日の登山は西丹沢にある箒沢公園橋バス停から穴ノ平沢ノ頭を目指します。箒沢公園橋は檜洞丸を目指す登山口として知られており、バスを下車した数人の登山者はそこへ向かうようです。私が歩くのは穴ノ平沢ノ頭北西尾根と呼ばれるバリエーションルートになります。誰とも遭遇しない静かな場所です。

前回(1日目)は玄倉バス停から穴ノ平沢を歩きました。箒沢乗越の直前で撤退することになり、今日は穴ノ平沢ノ頭から箒沢乗越へ歩く計画です。今日歩くコースは未整備です。バリエーションルートを歩く経験がない私は無事に帰還できるでしょうか。GPSと登山アプリを頼りに、経験者の引率なしの自力登山です。

檜洞丸や石棚山へ向かう一般登山道を少し歩いたら、すぐに右の方へ道を外れます。他の山域だったら、道を外れて山を踏み荒らすなとか、言われるのかもしれません。同じバスを下車した他の登山者からの視線を気にせずに進みます。本来ならここから急な斜面をまっすぐ登るようです。

けれど右を見ると道のようなものが見えました。そっちでも行けるかもしれないと思い、そっちへ向かうことにしました。登山アプリに載っている他の人が今まで歩いた軌跡「みんなの足跡」を見てみると、僅かながら右へ歩いた人がいるようです。先へ進めなさそうなら、引き返せば良いだけの話です。

結構な傾斜を登り続けました。滑りやすいため、ストックを使用して体を安定させます。手足をフルに使って、木から木へ移るように進んで行きました。正しい道が決まっておらず、どこを歩くか自分で見極め、絶えず決断するのが、いかに大切で難しいか、登山開始早々に学びました。

尾根に到着したら、暫くは歩きやすい稜線歩きになります。その前に朝食にしました。丹沢を歩き始めて数年が経過しましたが、未だにカモシカに出逢えていません。人がいない場所を歩けば出逢えるのではと、以前から思っていました。今日こそ、遭遇したいです。

食事を終えたら、先へ進みます。色んな形の糞を見つけるたびに、どれもこれも古いものばかりでした。周囲に動物がいる気配はありません。

痩せ尾根だったり、ザレて滑りやすかったり、勾配があったりする登山道を両手足を全て活用して、ひたすらまっすぐ登っていきます。

白い花を咲かせるイチヤクソウの葉っぱを見つけました。紫色を帯びる個体は珍しいようです。花が紅色のベニバナイチヤクソウかもしれませんが、咲いてみないと判別できません。

箒沢乗越と穴ノ平沢ノ頭への分岐点に到着しました。箒沢乗越へ向かったのですが、等高線の間隔が狭くないのに、傾斜が急です。一面落ち葉であり、転倒したらおしまいです。頭の中には、最悪行きに通った道で帰る選択肢を残しています。箒沢乗越まで下り、弥七沢ノ頭まで登り返した場合、もしその先で行き詰って、引き返すことになったら、なかなか大変です。

これより先に進むのは今回は断念し、代わりに石棚山や檜洞丸の方へ進ことにしました。一般登山道である石棚山稜に到着するまでは、引き続きバリエーションルートになっており、最後に待っている標高差200mほどの登りが大変そうなのが地図と微々たる経験から感じました。

弥七沢ノ頭を少しばかり眺めたら背を向けて先に進みます。少しばかり休憩しました。普段当たり前のように歩いている整備された登山道が、どれだけありがたいものなのか、実感できる機会になりました。「写真を撮る余裕すらない」と他の人のブログに書かれているのを何度か見たことありましたが、確かにそれくらい困難な道のりです。

穴ノ平沢ノ頭の山頂は標識はありません。前回(1日目)歩いた穴ノ平沢への分岐になっています。

フデリンドウはもうすぐ開花するでしょうか。

痩せて急勾配の尾根を進みます。足場が安定している保障がないので、疲れ始めても、前回の登山で筋肉痛が残ってても、集中力は維持します。

秋になったら縦一列に花を複数咲かせるミヤマウズラの葉です。葉の模様が宝石の輝きのようで、山野草好きに人気があります。こんな辺ぴな場所なら、盗掘や食害の心配は要らないと思います。

今日一番の山場にやって来ました。この標高差200mほどの登りを乗り越えれば、一般登山道に脱出できます。アプリの機能「みんなの足跡」を見てみると、どうやら左側を多くの人が歩いているように見えます。けれど結構な傾斜があり、どちらかというと右側の方が歩きやすそうです。

悩んだ結果、右側を歩きながら、段々と左側へ移動していく計画に決めました。駄目だったら、今いるここまで引き返して、最初から左側でどうにか進もうと思います。

最初はとても歩きやすかったのですが、次第に傾斜がきつくなってきました。木々が多かったため、なんとか木から木へ移動しながら標高を上げていきます。なんとか難所は無事に終えましたが、撮影する余裕はなかったです。

まだ開花していないと思っていたシロバナフデリンドウの花が開いていました。小さすぎて、マメリンドウという名前の方が似合っているくらいでした。大量の落ち葉の中で、よく視界に飛び込んできたと思います。

最後はスキップしながら行進すると、今まで何度か歩いたことのある登山道(石棚山稜)に到着しました。ロープの外側に道があったなんて、今まで気が付きませんでした。檜洞丸から下山してきた男性が目の前を通り過ぎていきました。

まずは昼食にします。これから檜洞丸までとは言わないまでも、その手前にある石棚山まで歩こうかと考えました。バス時間を見ると、今下山するとバス停で待つ必要もなく、急いで下山する必要もなくバスに乗車できそうです。西丹沢はバスの本数が少ないのが悩みどころです。檜洞丸までは歩いたことがあるので、下山することに決めました。

石棚山稜は他の登山道と比べて、定期的な整備がされていないように思います。崩落個所は修復されておらず、以前よりザレていたり、去年よりは難易度が上がっています。檜洞丸を目指すなら、往路も復路も西丹沢ビジターセンターからツツジ新道を通行するのが安全で良いと感じました。

この傾斜のあるザレ感は、疲れた足だと怪我の原因になりそうです。また下山道として使用すると、一部道が不明瞭な場所があり、時々遭難が報告されています。歌いながらのんびり歩いてたら、僅かばかり道を外れていましたが、ピンクのテープと標識が視界の端っこに見えたおかげで、すぐに修正できました。

板小屋沢ノ頭です。西丹沢では、何とかの沢ノ頭と呼ばれる場所が結構多いのだと気が付きました。

滑り台よりも滑りそうな、このザレた鎖場は、安全な場所から鎖が手に届かなかったため、右側の落ち葉がある場所を通行しました。去年通過した時には、鎖を使ったような、、、曖昧な記憶です。手足や身長が縮んでしまったかもしれません。もともと低身長なので、ぴえん問題です。

ここの崩落個所は手前で河原に降りるのが正解かもしれませんが、足が短いと段差が高すぎです。表出した鉄の棒に足を載せながら、木の板を手すり代わりにして進みました。

左側に転落したらひとたまりもありませんが、見た目以上に歩きやすいです。

一番最初の場所まで戻ってきました。

西丹沢から帰りのバスに乗る時は、始発ではない箒沢公園橋バス停からだと満員で立ったまま乗車することが多く、始発の西丹沢ビジターセンターからバスに乗車することが多いです。行きのバスはかなりの乗車率でしたが、帰りはなぜかガラガラでした。

1日目