登山地図

ルート

今回は大倉バス停から丹沢の塔ノ岳へ登山をして、霧氷や雪景色を鑑賞します。その後、表尾根を通って三ノ塔尾根で大倉へ下山しようと思っていたのですが、実際は日本百名山の丹沢山へピストンします。前日の天気予報では東京の街に雪が降るとの情報だったので、丹沢では大雪になると考えていました。

登山を始めてから、丹沢山塊には何度も足を運びましたが、一度も霧氷を見れたことがありません。丹沢では雪が降っても、陽が出てしまえばすぐに霧氷は融けて消えてしまいます。

まずは渋沢駅から神奈川中央交通バスに乗車して、大倉バス停へ向かいます。そこから大倉尾根をひたすら登っていきます。

花立山荘を過ぎた後から、雪が降り出してきました。初めから富士山は全く見えない曇り空です。登山道は整備がとても良くされており、草刈りによって珍しい植物の葉も一緒に綺麗に刈られていました。去年の秋は種子が出来ていたので、今年の晩夏に開花を見られるか気になるところです。

花が咲いていない葉だけの時期に草刈りが実施されるので、難しいところです。他の緑地や公園に行っても、雑草と一緒に山野草も刈られてしまった話はよく聞きます。

塔ノ岳直下まで来ると、できたてほやほやの霧氷が見られるようになってきました。登山者の数は少ないながらも、登ってくる人はいます。天気はどんどん荒れ模様になっていきますが、翌朝は晴天の予報なので、今日稜線上の山小屋に宿泊した人は絶景に出逢えそうな予感です。

塔ノ岳の山頂に到着しました。霧氷が育つまでまだ時間がかかりそうです。表尾根は既にガスって視界はありません。極寒の中、状況が変化するまで尊仏山荘の中で待機するか、下山するか迷いました。

正月太りや、前日に食べ放題で大量のカロリーを摂取したので、少しでもカロリーを消費したい気持ちもあります。ダイエットと展望の可能性を思案し、丹沢山まで主稜線歩きをすることに決めました。

丹沢山への登山道はまだ視界はまだまだ良好で、好天でした。それでも丹沢山塊の周囲の山は、全く見えません。

とことんカロリー消費するなら、自己記録を目指したいものです。大倉から丹沢山の先にある蛭ヶ岳まで日帰りピストンはまだしたことがなかったので、一瞬だけ頭をよぎります。着痩せでも隠せなくなり始めたポヨンポヨンのお腹が絶えず揺れます。

お正月の定番料理、お餅は実は太らないんだとか。脂肪や糖質の代謝を助けるパントテン酸が白米の3倍も含まれています。じゃあ私の正月太りはごろ寝が原因?体脂肪を登山で撃退しなくては。

すれ違う人は皆、防寒対策として厚着ですが、私はいつも長袖の速乾シャツです。登り始めは色々着こんでいますが、すぐに発汗し、シャツだけでも真夏のような暑さになります。ソロだと歩くスピード少し速めで、大倉から塔ノ岳までは2時間30分ほどでした。たるんで飛び出した腹部と登る力は関係ないってことですね。

木道が雪で真っ白です。雪でスリップしないように無意識にフラットフィッティングで歩いていました。以前、山登りで疲れない歩き方だと聞いたことありました。普段はフラットフィッティング(フラット歩行)でなくても疲れないので、歩き方を気にすることはなかったです。

空が白いガスでなく、青空だったらどれだけ霧氷が映えただろうか。嗚呼、天変地異のごとく奇跡でも起きないかと、ぼやいてみます。

霧氷にピンク色のスプレーを吹きかけたら、さぞかし桜のようで綺麗だろうと、どこからともなく頭の中のシナプスが電気信号を送ります。霧氷が融ける前に樹脂スプレーをしたらどうなるんだろうとか、どうでもよいような山上の空論です。

丹沢山に到着したら朝食休憩です。雪降る登山は生まれて初めてになります。年始の登り始めは塔ノ岳と丹沢山になりました。横から雪が舞いだす中、傘をさして塔ノ岳へ引き返すことにします。

ここから大倉ではなく、宮ケ瀬湖へも下山ができます。コースタイムは30分くらいしか違いません。宮ケ瀬湖へ向かうルート上には丹沢三峰や高畑山があり、どれも未踏です。そっちへ進んでも良かったと帰宅してから思いました。

行きはよいよい帰りは恐い。塔ノ岳へ戻る時の方がどんどん吹雪いてきました。荒天だと、雪による紫外線の照り返しで日焼けしなくて済むのは嬉しい吉報です。

大倉バス停までの復路は下山が中心で汗をかくことも大幅に減るため、厚着をして進みます。

横に流れる雪がどうしても映り込んでしまうくらいの天気になってきました。水を飲もうと思ったら、ペットボトルの中に氷ができていました。自然と口に入る天然かき氷は美味です。

誰の足跡もない雪上を歩くのはとても心地良いものです。自分の足跡を残していきます。はっ!動物の本能が目覚めて、マーキングを始めてました。今なら足を忍ばせて、鹿に気が付かれないように近づいて、カメラを連写できる気がします。自分の頭に花が咲いているのか、自問自答タイムです。

塔ノ岳に戻ってきました。僅かに人はいますが、長居する人は皆無です。吹雪で音もかき消されるだろうし、今ならジャイアンリサイタルし放題です。

無観客のリサイタルを無事に終えたら大倉尾根で下山をします。

岩場も木道も全て傘さしで通過します。両手を使う場所は特にありません。

木道で滑って何度か尻餅ついたのは、ここだけの話です。転倒したら大怪我をするような場所は無意識に慎重になっていると思います。なので怪我はなく、代わりに悪態だけでした。「チクショー!チャンチャカチャンチャンチャチャンチャン♪」

堀山の家まで戻ってきました。今日は秦野市内まで大雪になるとは想定外でした。東京は交通が乱れそうな予感です。

雪は音を吸収するため静寂の時が流れます。そこに何かの足音が聞こえ、ふと遠くを見上げると鹿の群れと見つめ合いになりました。木々の隙間から、ひょっこりはんです。

大倉まで無事に下山しました。年始の登山はこれにて終了になります。今年もこれから何度も丹沢に登って、色んな発見や出会いに期待です。まずは、春先に咲くスプリング・エフェメラルの追いかけから始まるでしょうか。

雪の積もったロウバイ

日程表