秀嶺富嶽十二景の7番・6番である百蔵山と扇山に富士山の展望と紅葉を観に登山をします。どちらも中央線の駅から歩いて登れる山で山梨百名山に指定されています。また奇橋として人気のある名勝猿橋にも立ち寄ります。
猿橋の紅葉の見頃は大月市観光協会のホームページに低頻度ですが更新されており、それを定期的に見ながらいつ行こうか考えていました。ちょうど見頃のようです。
猿橋駅に到着したら猿橋へ向かいます。先に橋を観に行くか、鳥沢駅から逆ルートで最後に橋を観に行くか悩みましたが、人が少ない早朝にしました。また景色がより良いのは鳥沢駅が最寄りの扇山ではなく、猿橋駅が最寄りの百蔵山です。午後より午前中の方が富士山が雲が発生せずに良く見えます。
猿橋駅は有人駅ですが、朝早いと誰もいません。鳥沢駅は無人駅です。田舎ですね。
猿橋は無数の組み合わせた瓦のような独特のデザインも素敵ですが、橋脚が使われていないからこその景観が素晴らしいです。いつ建造されたか正確には不明ですが、西暦600年に橋脚を使わずに橋が架けられました。大昔の技術には圧倒させられます。
猿橋駅から百蔵山登山口まではバスがありますが、本数が少なく猿橋も観光するなら徒歩が便利です。朝早く来たつもりですが、猿橋には既に観光客が10人以上いました。「錦帯橋」や「木曽の棧」と並ぶ日本三奇橋に選ばれており、現在の木曽の棧は面影がなんとなく残っている程度ですが、こちらは情緒たっぷりです。
諏訪春日神社(出世大神宮)を経由して百蔵山登山口へ歩いて向かいます。
山梨県には県境にある山を含めて日本百名山は瑞牆山や北岳など12座あります。東京へのアクセスも良く、極度の山好きには移住したくなるような山梨ですが、注意しないといけない県民性があるようです。
甲州弁で「きたりもん」という言葉があり、「よそ者」という意味です。京都のような移住者に対する排他的気質が土地柄ある場所も存在するため、移住してまで住みたいか、リモートワーク移住を含め十分な検討が必要です。
中央自動車道沿いの道を歩いていきます。他の近道があったのですが、藪笹が生い茂り、人の通りがほぼなさそうでした。
目の前に目立った山があると思ったら、岩殿山城でした。山城跡なので、今はお城はありません。
百蔵山登山口バス停に到着すると、ちょうど猿橋駅からやってきたバスが停車しました。登山口の最寄りバス停で、多くの登山者が下車していましたが、年齢層は50~60代と高めです。難所もなく優しい山になっています。しかし今日に限っては、出会った登山者の平均年齢は10代でした。何があったのかは、後でお伝えします。
登山道は二手に分岐しており、どちらでも百蔵山の山頂へ行けます。途中で山頂からの展望に負けないくらいの景色が待っているのは左なので、そちらを歩きます。右のルートをあえて選ぶ魅力は、私の下調べではわかりませんでした。
となりのトトロがクリスマスの衣装でお出迎えしてくれます。ここでベンチがあったので、富士山を眺めながら軽く朝食にしました。有料のトイレもあります。100円ですが、民家の中にあるようで、とても清潔なようです。
年中開放されていない和田美術館の建物を通り過ぎると山の中に突入します。紅葉が綺麗な場所でした。
水場がありましたが、緊急時以外の需要はなさそうです。駅前にコンビニがあり、低山なので標準タイムも駅から山頂まで全て歩いて2時間です。
歩きやすい道を登っていくと、このルートの一番の売りである展望が見えてきました。中央線に沿って町が開発されています。
一番左奥の山が、日本二百名山の御正体山、その稜線沿いの右にありかつ富士山の脇にある高い山が杓子山です。御正体山の右手前にある山が九鬼山で、一番右は高川山です。道志山系の山々や、ここら辺は全然歩かないので、馴染みのない山が多いです。
百蔵山の紅葉が終わると、紅葉前線は高尾山や丹沢の大山に移動していきます。高尾山は大混雑でリフトやケーブルカーは1時間以上の待ちになります。世にも恐ろしい日本現代話です。それと比べるとここは人も少なく静かです。
ここから稜線歩きになります。展望はほぼなく、木々の隙間から富士山がチラッと見える程度です。
標高1,003mある百蔵山の山頂に到着しました。山梨百名山かつ秀嶺富嶽十二景の7番です。ベンチが空いていたので、残りの朝食をとりました。
山頂からは紅葉と富士山の景色です。登山道から見た景色と違い、山麓が隠れていました。
ひっそりと目立たず咲いていたリンドウです。花の少ない時期には特別な存在です。
扇山へ向かいます。JR中央線沿いにある山で人気のトップ3に入ります。百蔵山と今回訪れない権現山を含めて郡内三山と呼ばれています。郡内とは山梨県都留郡一帯を指す地域です。
エビネの群生地を発見しました。春の山野草として人気ですが、何色の花が咲くのでしょうか。一般的な色は赤褐色ですが、変わり種の色だったら盗掘の可能性もありそうです。以前、里山を歩いていると、赤褐色ではないエビネを見なかったか尋ねられたことがあります。サルメンエビネや伊豆諸島のニオイエビネ等いつか見たいエビネは数多くあります。
最近、歳を取ったせいか突然子供の頃の記憶が蘇ることがあります。昔々、それは大昔にドラゴンクエストのバトル鉛筆と呼ばれる玩具を収集していました。今はすっかり文房具店や玩具店で見なくなりましたが、ネット検索してみると結構な高値で販売されていました。ポケットモンスターのバト鉛(略称)も集めており、今更欲しいとは思いませんが懐かしさが脳内神経を駆け巡ります。
標高1,109mの大久保山を通過します。特に何もない場所です。新大久保で韓国料理が食べたいと一言コメントでも残しておきます。けれど韓国街だったのは昔のことで、今は多国籍街だったような。今は無縁の地です。
山梨百名山かつ秀嶺富嶽十二景の8番の扇山に到着しました。標高1,138mと今日の最高峰です。
山頂には多くの若くて眩しい高校生が大量にいました。若さビームが私の目尻のしわに突き刺さります。千葉県高等学校体育連盟登山専門部の新人大会が扇山で開催されていました。複数の山岳部の高校生団体が時差登山をしているため、山頂は常に大混雑です。
山頂からは富士山の景色がありますが、個人的には百蔵山から見る方が好きです。
なんとか空いていたベンチに座り、昼食です。新人大会の登山地図を見ると、鳥沢駅から時計回りに進むルートでした。大混雑に巻き込まれたくないため、反対周りのルートで大月カントリークラブへ下山することにします。食事を終えたら出発します。
各所に新人大会の問題や植物に関する豆知識が掲示されていました。クロモジを嗅いでみると、メープルシロップのような甘い匂いがしました。皮は名前の通り黒いですが、中は爪楊枝そのものの色です。
鳥沢駅へ向かいます。電車の本数が多くないため、駅に着く時間を考えながら歩きます。
今回の登山は秀嶺富嶽十二景と紅葉を楽しむ内容で、天気も良いため心残りのない山行になりました。十二景全てをコンプリートするのも面白そうです。秀麗富嶽十二景写真コンテストなるものがありますが、受賞作品の多くは雲海や霧氷、早朝や黄昏時の景色なので、日中の紅葉では力不足だと思いました。
帰り際に後ろを振り返ると、今回登った扇山の山容です。
百蔵山も見えました。鳥沢駅から電車に乗って無事に帰宅しました。次にこの周辺を登るとしたら滝子山を考えていますが、イワカガミの群生地があるので、せっかくなら花が咲く5月に登りたい気持ちもあります。
日程表