赤城山の外輪山を縦走しながら、紅葉と展望を堪能する登山を、出発前日に計画しました。電車で前橋駅まで行き、そこからバスで赤城山ビジターセンターへ行き、赤城山の最高峰である黒檜山を含めた駒ヶ岳から薬師岳まで歩きます。
計画当初は日帰りの予定だったのですが、個人的に気軽に来れる近場ではないため、ビジネスホテルに1泊して、翌日は榛名山や榛名神社を巡る計画にしています。
計画当初は日帰りの予定だったのですが、個人的に気軽に来れる近場ではないため、ビジネスホテルに1泊して、翌日は榛名山や榛名神社を巡る計画にしています。
まずは前橋駅に到着したら関越交通バスに乗り込みます。紅葉の最盛期は過ぎています。乗車した始発から2本目のバスには大勢の登山者が乗り込み、増便もありました。低山ですが、人気ぶりを侮るなかれ日本百名山です。
1時間ほどバスの座席に座っていたら終点の赤城山ビジターセンターに到着しました。一般的な登山ルートの開始地点は、駒ヶ岳・黒檜山登山口であるため、ビジターセンターまで行かずに、あかぎ広場前バス停で降車する人がほとんどでした。
今日は直帰しないので、帰りのバスは最終にしようかと思いながら、余裕をもってその1本前にしました。
今日のコースは次の通りです。最初に少しだけ覚満淵へ立ち寄ってから、駒ヶ岳、黒檜山、足柄山、陣笠山、薬師岳、見晴山の各山頂を歩きます。バス時間の関係で途中で大沼の湖畔へ下山することも考えていました。
結果的に、標準タイムが想像より緩かったので、薬師岳から出張山まで足を運んでから見晴山へ行けたのですが、初めての山だったので計画通りのコース歩きになりました。
覚満淵へ向かいます。初夏には湿原としての魅力を発揮します。ミズトンボやモウセンゴケ、クルマユリなどの湿地に生息する植物が見られ、小さな尾瀬と呼ばれることもあります。ムラサキサギゴケや赤城山の名が付いたアカギキンポウゲなどの珍しい植物とも出会えます。
赤城山ビジターセンターでは10円の登山マップが販売されていましたが、無料冊子棚にある無料の登山マップで十分でした。
赤城山ビジターセンターでは10円の登山マップが販売されていましたが、無料冊子棚にある無料の登山マップで十分でした。
紅葉は終わりかけでしたが、部分的に残っていたり、遠くから山肌を見ると紅葉がまだまだ観賞できます。紅葉は山頂から次第に山麓へ遷移していきますが、個人的には山頂が見頃より山麓が見頃の方が、好みです。山頂から見下ろした景色が一面紅葉映えしたようになるからです。
まだまだ登山は始まってもいないので、長居はせずに駒ヶ岳・黒檜山登山口(大洞)へ向かいました。赤城山は初心者の雪山ハイキングでも有名とのことで、初めて登るなら冬だとずっと前から思ってました。けれど行ける時に行かないと、いつまでも行けないままだと思い、今秋奮起しました。
落葉した木々の中に黄葉がまだ残っていました。登山道は比較的緩やかですが、整備された丸太階段の隙間の土が流出していました。全行程を通して危険な場所はありませんでした。
すれ違うことが難しい無限階段を登ると稜線まで目前になります。上に誰もいないので、そのまま登っていきます。登山者によってはすれ違い前提で降りてくる人と、先に階段を通過し始めた人が通過し終えるのを待つ人、どちらもいました。道の譲り合いは普段の性格が表出するのが登山の特徴だと思います。
稜線(下降地点)に到着しました。ベンチがあるので休憩できます。ここから駒ヶ岳までは展望の良い緩やかな登山道です。富士山や赤城山の血の池近くにある小沼など既に見えていましたが、後で紹介します。
見下ろす景色は壮大で、かつ赤く色づいて綺麗でした。
登り始めて1時間しないで標高1,685mある駒ヶ岳の山頂へ到着しました。赤城山が大昔に噴火したことで形成された外輪山の1つです。
カルデラ湖の大沼と、そこにある赤城神社、色付いた外輪山の山肌と地形、そして遠くに見える上信越の山々、それぞれの要素が組み合わさって完成された1つの至極の景色は赤城山を印象付けるものでした。大福を食べて小休憩したら黒檜山を目指します。
駒ヶ岳
黒檜山
各ピークとピークの間には鞍部があり、その度に下って登り返します。
黒檜山山頂の近くには展望地がありました。右に地蔵岳と左に小沼です。
直線距離で約140km離れている富士山です。富士山をの下半分を隠しているのは雲取山を含む秩父の山塊です。
黒檜山大神石碑まで来れば山頂までは目前です。
赤城山の山頂といったらこの標高1,828mにある黒檜山です。到着しました。写真撮影の順番待ちの列ができていました。天空の広場と呼ばれる絶景スポットがすぐ側にあるので、そこで昼食にします。
天空の広場では、北西に苗場山、北に武尊山、そして至仏山や燧ヶ岳、日光白根山、皇海山などが見えました。実際は、どれがどの山だか分からずただ眺めるだけだったのは、ここだけの話です。親水性ならぬ親山性が、この地域の山に対してまだまだ乏しいです。誰でもみんな最初はそんな感じですね。
谷川連峰です。右側の三角に尖った武能岳の左の大きな峰は谷川岳です。よく見ると谷川岳特有の猫の耳みたいな姿が見えます。
浅間山はひときわ目立った山容です。その右側には空気が澄んでいると槍ヶ岳などの北アルプスが見えます。
昼食を終えたら黒檜山登山口へいったん下山します。そのまま次の足柄山への稜線上のルートは不明瞭で分かりませんでした。
角度や高度が違えば、同じ山でも見え方が異なります。自分にとっての一番良い場所はどこでしょうか。
猫岩からの展望
黒檜山登山口に到着し、往復30分かけて赤城神社へ足を運ぼうか考えましたが、足柄山へ向かうことにしました。
登山道を歩くのかと思ったら、五輪峠までは車道でした。緑、赤、黄色の三色のコントラストがどこまでも続きます。
五輪峠から笹道を歩いてすぐに標高1,475mの足柄山に到着しました。特に景色はありません。
とても歩きやすい稜線で、標準タイムよりも速く進んでいきます。駒ヶ岳や黒檜山と比べてすれ違う登山者は9割以上減り、出会うのは外輪山を全部巡る人ばかりでした。朝6時過ぎから歩き始めている人もおり、公共機関利用だと不可能な行程です。
標高1,488mの陣笠山です。関東在住だと、陣馬山を連想する名前です。
黒檜山を間近に感じられる山頂でした。
駒ヶ岳や黒檜山と比べて標高が低い稜線のため、木々に隠れない大沼を見れないと思っていたのですが、良い展望地がありました。
標高1,528mの薬師岳を通過します。
野坂峠から出張山へ行かずに、大沼の湖畔へ下山します。
黄葉が太陽光できらめいています。このルートは人が歩かないのか、道がちょっと不明瞭でしたが、短い距離なので迷子にはなりません。
誰も人がいない静かな場所でした。赤城山は春に咲くツツジでも有名で、初夏の湿地植物、秋の紅葉、冬の初心者向け雪山と一年中楽しめそうです。
トーテムポール
大沼までたどり着きました。目の前には紅葉した黒檜山です。山の中にいると紅葉は終了していても、遠くから見ると紅葉真っ盛りのように見えます。
見晴山を目指して登っていきます。Googleマップでたまたま見つけた「赤城ハイジのブランコ」と呼ばれる場所です。
急な傾斜なので、高度感があります。ブランコから落ちたら、地の底までおむすびころりん確定事案です。ブランコのロープは命を懸けて強固に握りしめてます。
先へ進むとほどなくして標高1,458mある見晴山に到着です。見晴がある山かと期待していたのですが、展望は皆無でした。事前に下調べをちゃんとして来ればよかったと思いました。出発前夜にどこ行くか計画して実行するのは無理があると承知していますが、ついついぎりぎりまで面倒なことを後回しにしてしまいます。
外輪山を今回歩いたのは、大沼と黒檜山が1つの構図に入った景色を見たかったという理由もあります。大沼を挟んで黒檜山の反対側にある見晴山まで歩きましたが、まさかの空振りです。どうやら見たかった景色は地蔵岳の山頂からのようでした。
最終の1本前のバスに展望台下バス停から乗車して前橋駅へ向かいました。本当は確実にバスの座席を確保できる赤城山ビジターセンターバス停から乗車しようかと思っていたのですが、歩きながら色々計画を変更しています。
前橋駅から渋川駅へ移動して、今夜はビジネスホテルのエクセルイン渋川に泊まります。明日は榛名山へ行くのですが、前橋駅からバスに乗るよりも、渋川駅からバスに乗って榛名山へ行く方が早く到着できるのが渋川駅の駅前に宿泊する理由です。
夕飯を食べた後にご当地スーパーのベルク渋川店へ行きました。地元のスーパーではみかけないお惣菜が色とりどりあり、特に「岩下の新生姜を巻いちゃった手巻きチキンロール(店内焼き)」が美味でした。食後のデザートを買う予定が、食後のお惣菜になってしまいました。