ルート
今日は、尾瀬ヶ原を通って山ノ鼻から至仏山を目指します。山中でオゼソウを観賞して、鳩待峠へ下山するのが予定になっています。
まずは早起きして、人のいない湿原を散歩します。燧ヶ岳と湿原の境目には朝霧が発生していました。
トンボには無数の水滴が全身に付着して、ピクリとも動いていませんでした。日光の光を浴びるまでじっとしているのかもしれません。昨日見た蛍も含め、尾瀬では生き物の命を感じさせられる場面が幾度かありました。
至仏山がはるか遠くに見えます。今日が最終日です。帰りのバスは関越交通です。尾瀬戸倉バス停から新宿へ向かうバスが1日3本ありますが、一番遅い午後3時30分発です。大混雑のようで、一番早い出発のバス以外は満席のようです。一番遅いバスを予約できたため、朝食を山小屋で食べたり、植物探しをする時間の余裕があります。
朝食開始時間の40分前に朝食の列に並んだのですが、開始直前に並んでも1巡目の朝食の回に間に合うようでした。ちなみに20分前でも先頭をゲットできます。
朝食は、鶏肉、シュウマイ、焼き魚、卵焼き、煮物、ひじき、胡麻和え、海苔でした。
朝食を終え、歯磨きをしたら出発します。売店レストランは夜の8時まで営業しているようで、ライトアップされて雰囲気がありましたが、満員御礼です。
こちらはノアザミですが、尾瀬にはオゼヌマアザミやナンブアザミも自生しているようです。
水芭蕉の時期、多くの観光客が中田代と呼ばれる、この有名な撮影ポイントを目指しますが、夏だと素通りする人が多いように感じます。
雪解け時期の水芭蕉と至仏山
逆さ至仏山
逆さ燧ヶ岳
群青
今日も山小屋で暮らすスタッフや宿泊客、食事客のために、歩荷の歩みは続いていきます。
山ノ鼻にある登山口へ到着しました。至仏山から登山口への逆進入は基本的に不可です。滑りやすいルートです。初日に一ノ瀬休憩所から三平下(尾瀬沼山荘)までの間に何度も滑って尻もちをついた私ですが、燧ヶ岳と至仏山で転倒することはありませんでした。
ただ、子供が丸くつるつるした石に足を置いて転倒し、泣いてしまいました。油断は禁物なのと、子供同伴の場合は足を置く場所を示してあげても良いかもしれません。そんなルートでした。
ただ、子供が丸くつるつるした石に足を置いて転倒し、泣いてしまいました。油断は禁物なのと、子供同伴の場合は足を置く場所を示してあげても良いかもしれません。そんなルートでした。
標高を上げていくと、昨日踏破した燧ヶ岳と尾瀬ヶ原が見えてきました。燧ヶ岳の山頂から見るよりも、池塘が分かりやすいです。
ワタスゲ
鎖場が2ヶ所ありますが、鎖を使わずに通過できました。
干物を作るなら、こんな天気が良い日が良いですね。疲れたらこんな風に休憩したら極楽かもしれません。そんなここは標高2,000mより高くて、物理的にも極楽浄土に近いかもしれません。
オゼソウを先程から探しているのですが、見当たりません。実は、オゼソウがどんな姿をしているのか記憶していません。以前ネットで見た時は注意深く見ておらず、スギナのような印象を持っていました。既に出会っているのか、まだなのか疑問です。
ヨツバシオガマ
ネバリノギランは、花が全開しないキンコウカ科の植物です。名前にランがあると、ラン科かと思ってしまう私は、植物について博識ではなく、薄識なのです。
イブキジャコウソウは、葉から良い香りをだします。しかし、香りを確認するのを忘れてしまいました。どんな香り何でしょう。
タカネナデシコは、高山だけに咲くナデシコです。
嗚呼、やっぱり極楽浄土へと続く木の階段なのですね。しかたありません。周囲に人がいないのを確認したら、ミュージカル風に階段を登っていきます。重たいザックなんか空に飛んで行ったかのような軽やかなステップです。
絶滅危惧Ⅱ類のカトウハコベがいました。実は、近くで2人の登山者が地面にうずくまっていて、何やら貴重な植物の話をしていました。地獄耳のダウジングセンサーが最高潮に反応していたので、話に混ぜて頂いたら、そこにこの植物が咲いていました。
近くにはカトウハコベと似ているけれど、よくある普通の植物が幾つも見かけるらしく、カトウハコベは他に見ていないようでした。似ている普通の植物とは、ホソバツメクサだったのかもしれません。
ハクサンイチゲ
2人とも植物に詳しいようで、植物を観に至仏山へ登って来たようでした。私はネバリノギランをもしかしてオゼソウかもと勘違いをしていたのですが、この2人に出会った事で、勘違いに気がつきました。けれど、本物はまだ見ていないと2人とも言っていたので、どれがオゼソウなのでしょうか。下調べが適当だったことを反省です。
標高2,228mある至仏山の山頂に到着しました。燧ヶ岳に負けない人混みでした。ここで昼食を食べるのはやめておきます。
奈良俣ダムが見えますが、どれがどの山だかさっぱり分からない登山初心者です。分からないことがいっぱいあるので、優しくしてください。てへぺろ。
普段登らない山域は、登山一年目に戻ったような気分になります。後で地図を見てみると、登ったことがある谷川岳は多分見えてたのだと思います。気分は迷子です。
普段登らない山域は、登山一年目に戻ったような気分になります。後で地図を見てみると、登ったことがある谷川岳は多分見えてたのだと思います。気分は迷子です。
登った山(燧ヶ岳)が見えており、認識できていると、何となく安堵感があります。
ムシトリスミレ
目の前に見えるピークが小至仏山です。途中で先程会話した2人のうちの1人と再会し、ショウキランの場所を教えてもらいました。そこにショウキランを観に行くことはありませんでしたが、私は今回の登山で見つけることができたのでしょうか。
ホソバヒナウスユキソウ
鞍部を通過し、先程までいた至仏山を見つめます。天気が良すぎて暑すぎです。3日間、日焼け止めを塗りなおしたおかげで、腕の皮は薄くめくれましたが、ヒリヒリする火傷は一切ありませんでした。
標高2,162mの小至仏山に到着しました。今日まで知らなかったのですが、鳩待峠から小至仏山を経由して至仏山へ行くことが可能でした。てっきり山ノ鼻から登らないといけない一方通行だと勘違いしてました。一度も登りに来たことがないと、正確な情報なんて記憶に留めてなんておかないですね。
ちなみに、今まで見たことがない植物で、どこかで花の写真とその名前を流し読みして、偶然現物を見た時に、植物の名前が自然と出てくることが、たまにあります。普段出てくるのに、ここぞという時に、名前が出てこない時は沢山あります。
オゼソウ
これがオゼソウかもしれないと、何となく写真に収めていました。下山を終え、尾瀬戸倉バス停近くにある尾瀬ぷらり館でオゼソウを確認したら、ビンゴでした。尾瀬戸倉バス停まで行かずに、鳩待峠でネットが使えそうですが、山の中にたった数日いるだけで、アナログ人間になってしまいます。
ゴール地点の鳩待峠まではあと少しです。ここが最後のお花畑になりました。ずっと出会いたかったオコジョには、出会えないまま下山してしまうことになりました。
イワカガミは総状花序ですが、花茎に9個の花がついているのは初めて見ました。
鳩待峠に無事に下山しました。ここでコーラを購入して昼食にします。その後、尾瀬戸倉までのバス乗車券を購入します。この乗車券はバスでも乗合タクシーでも使え、本数の少ないバスの出発時刻を待つ必要はないようです。
ショウキラン
3日間の中で、なんとかショウキランに出会うことができました。天気に恵まれ、山の景色と植物の両方を楽しむことができました。また訪れたい尾瀬でした。