高尾山でベニバナヤマシャクヤクとムヨウランが咲いていると知り、高尾山口駅へやって来ました。この時期に高尾山へ登山をしに来たことはなく、どんな植物がどこら辺に咲いているのか知らなかったので、ネットで詳しく調べて来ました。なんとなくの情報やピンポイントの情報など多くありました。世界一登山客が多い山だけあって、情報量は豊富です。
今回、登山中に色々な花好きの人と出会いました。中には、観たかった花の咲く場所へ案内して頂きながら、ご飯をご一緒させて頂いたり、スミレに詳しい方から様々な花を教えてもらいながら一緒に散策させてもらったり、感謝しかありません。
ご一緒させてもらえなかったら、多くの植物を観れず、知れずに終わっていたと思います。良い人達と出会うことが出来ました。自力では発見できなかった植物が幾つもあるので、それらに関する生息場所の公表は控えさせていただきます。
いつも歩いている丹沢に自生する花の情報は個人ブログや、Facebook、ヤマレコに多く記載される印象です。しかし高尾山の花においては個人ブログとヤマップに多く記載されているように思います。
また、丹沢だと花の自生地については旧知以外の人には口外しなかったり口を濁す風習があるように感じていたのですが、高尾山では盗掘をしないような花を愛する人の間では自生地の情報を共有するのもNGではないように思いました。
私は高尾山歴がすごく浅かったり、個人登山がほとんどなので、実際のところは分かりません。分かるのは、今回は良い人々と巡り合えたことですね。
花探しへ出かけます。まずは6号路でよく見かけるセッコクです。一番間近で観られるのがケーブルカー清滝駅の構内のようです。写真を撮るだけなら、ケーブルカーの乗車券を購入せずに構内に入れるので、許可をもらって撮らせてもらいました。
セッコク
(カントウ)カンアオイ
以前8月に、トサノクロムヨウランを観に高尾山を登った際にカンアオイを見たのですが、5月終盤の時期に残っていました。本来は10月から4月までのようです。4月から5月までしか咲かないタマノカンアオイも高尾山に咲くようなので、エビネが見頃の頃に、訪れてみたいです。丹沢と比べて高尾山の方がエビネの色が豊富みたいで、気になります。
ムヨウラン
今回、後々ご一緒に歩かせて頂いた方は、1人はラン科の専門家で、もう1人はスミレの専門家でした。どちらもそれ以外の植物についても詳しく熟知しておりました。私は植物についてはまだまだ未熟ですが、浅識の中で一番知っているのは腐生植物です。
そしてムヨウランはまだ観たことがなかった腐生植物なのです。まだ花を咲かせていない蕾が大多数でしたが、見れる時に見ないと、雨や用事で見る機会を来年に持ち越してしまいます。3号路と富士道がよく知られているようですが、3号路だけの開花でした。
ちなみに高尾山のマップ見てもどこが富士道なのか直ぐには分かりませんでした。
ホシザキイナモリソウ
イナモリソウ
ヨウラクラン
スギランやヒモランなど、ランの名が付く着生植物が幾つかありますが、ラン科ではありません。しかしヨウラクランはラン科であり、ラン科好きにとっては観てみたい植物の1つでした。しかし自生すると言われている場所を探しても見つかりませんでした。
同じくヨウラクランを探していた方と周辺を探していたのですが、やっぱり見つからずにいました。そんな時、ラン科専門家の方に出会い、教えてもらえることになりました。感謝です。
着生植物は花を咲かせいる時期が一番見つけやすいのですが、それでもヨウラクランは難易度は高かったです。花が咲いているのに花序が細長くて完全に周囲と同化してました。今まで花を探してきた中で、植物は初めて見る個体を見つけるのが一番難しいと思うのですが、ヨウラクランは次回も見つける自信はありません。
いったん、ここでラン科専門家の方とは分かれるのですが、縁があって後で再会することになります。
サイハイラン
この時期、高尾山で沢山見かけるサイハイランは、半腐生植物(部分的菌従属栄養植物)です。葉っぱから光合成をしますが、地中にいる菌類に寄生しています。
緑色のサイハイラン(アオサイハイランのことかもしれません)が高尾山に存在するようですが、今年は姿を見かけないようでした。
ツレサギソウ
ピンポイントでネットに場所が載っていたのですが、細かな分岐の場所で通り過ごしてしまい、引き返していた時、先程のラン科専門家の方と再会しました。ありがたいことに、これから観ようと思っていた花が同じだったこともあり、ご相伴させて頂くことになりました。
オオバウマノスズクサ
以前タンザワウマノスズクサや、アリマウマノスズクサを観てから、ウマノスズクサを全種類観てみたいと思っていました。
クモキリソウ
ヒトツボクロ
こちらはネットで探せば場所が載っているのですが、自力では見つけられなかったと思います。目立たないですが、ラン科特有の花の構造をしています。花ごとにねじれの度合いが違うように思います。
細くて小さい植物の撮影は、ピントが背景に合ってしまったり、風で揺れてぶれてしまったり難しいです。
コクラン
アマドコロ
アオフタバラン
スズムシソウ
こちらは何となく場所がネットに載っていましたが、それではたどり着けない場所にいました。
ここからスミレ専門家の方ともご相伴させて頂きます。色々なスミレの写真を観させてもらった時に、「距」というキーワードが出てきました。花がただ好きなだけでは、「距」なんて用語知らない人がほとんどだと思います。色々調べて膨大な情報を吸収する程の人だと直ぐに分かりました。
ベニバナヤマシャクヤク
こちらも自力ではたどり着けない場所でした。ネットでピンポイントで場所が載っている場所は既に咲き終えているとのことで、違う場所に案内してもらいました。それでも開花してから4日目で、花弁が全て落ちている可能性が高かったです。翌日だと完全アウトなので、なんとか間に合って感激でした。
今年は初めてヤマシャクヤクと出会え、そして絶滅危惧Ⅱ類のベニバナにも出会えるとは思っていませんでした。丹沢にも一定数のベニバナが存在するようですが、場所は分かりません。
ヤブエビネ
イチヤクソウ
マルミノヤマゴボウ
ナンテンハギ
熊が生息しているようです。
キヨスミウツボは顔を出してから、見頃を迎えるまでが早いようで、けれどちょうど良い見頃に合わせて観に行くのが難しいようです。
シュスラン
ユキノシタ
カヤラン
植物紹介は以上で終わりです。こちらは小仏城山で名物になっている普通サイズのかき氷です。お味は新しく増えたラムネ風味です。映えるだけでなく、自分好みの甘さに調節できるのがポイント高いです。
高尾山に自生する花の環境は、ここ1~2年で急激に変わったと聞きました。午前中に珍しい花の情報がネットにあがると、午後にはその花を求めて多くの人が訪れるようです。ネットの普及と都会から手軽に行ける立地ならではなのかもしれません。それに伴う貴重な花の踏み荒らしや盗掘が増えているようです。
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