ルート
兵庫県にある六甲山へ登山しに行きます。お目当ては、ロックガーデンと六甲山に生息するイノシシ、そして日本三大夜景の1つの「神戸の夜景」です。また六甲高山植物園でヒマラヤの青いケシと、キヨスミウツボとの対面です。
まずは、最寄り駅の芦屋川駅まで電車で行き、そこから六甲山の山頂まで歩いていきます。
六甲山は標高931mの山で、日本三百名山や新日本百名山に選ばれています。瀬戸内海国立公園の区域に指定されていますが、山頂から見える景色は大阪湾と大阪・神戸の街がメインです。六甲山を最高峰とする六甲山地の領域において、須磨アルプスまで足を延ばせば、瀬戸内海を感じられるのでしょうか。
住宅街や高級住宅の側を歩いて標高を上げていきます。登山者は多く、人気の山だと思います。
高級住宅街を抜けると、やっと登山が始まるんだと思えてきます。
滝乃茶屋が登山開始のゲートのような構造になっています。何か買うのを忘れたら、ここでそろえる事も出来ます。私は、芦屋川駅の近くにあるローソンで食料を購入しました。
高座の滝では、登山者の休憩・集合場所になっているのか混み合っていました。停滞せずに、進んでいきます。
登山道の最初の分岐に来ました。右へ行けば初心者向けのコース、左へ行けば上級者向けの滝壺コースです。滝壺コースは、滝沿いに歩いたり簡単な渡渉がありますが、靴を濡らさずに行けるようなので、上級者向けへ行きます。登山者のほとんどが初心者向けのコースを歩いていたので、人込みを避ける意味でも滝壺コースにします。
ここから登っていきます。踏み跡がありますが、明瞭な道はありませんでした。
思うまま登って行ったら、クライミング現場に来ました。本当は滝に沿って歩かないといけないので、引き返して滝沿いを歩きます。
少し先を歩いていた登山者は、この滝壺を直接登って行ったように思いますが、濡れるのが嫌な私には難しそうです。また滑りそうです。
巻き道がちゃんと用意されていると事前の情報にあったので、迂回します。六甲山は初めての山なので、登山地図やGPSアプリはあっても、手探りの状態です。
ロッククライミングが出来る岩壁を見つけたので、そっちの方に引き寄せられるように進んでいくと、あっという間に滝沿いルートから脱線してしまいました。
そのまま進んでいくと、展望の良い場所に到着しました。先程、岩壁をロープワークで登っていた登山者と合流しました。六甲山に詳しいようで、ここは3つ又になっており、引き返さなくても六甲山の山頂へこのまま尾根沿いの道を進んでいけるそうです。
本当は、滝沿いルートからロックガーデンへ行く予定だったのですが、このまま引き返さずに進みたいと思います。
目の前に見えるこれがロックガーデンでしょうか?ロックガーデンへ行きたい気持ちもありますが、次回に持ち越しになりそうです。ちなみに六甲山地で一番歩きたいのは須磨アルプスの「馬の背」です。
兵庫と大阪の街並みが見えました。
初心者コース(一般コース)が見下ろせました。そっちの方歩いてみたいかも。って思ってしまう、むき出しの岩加減です。隣の芝生は青く見えますね。
自分が予定していたコースを歩けなかったのは、遭難の原因になる事もあるので、軽度のヒヤリハットかもしれません。その代わり、山での臨機応変さを学ぶ機会になったと思います。
六甲山の山頂へ向けて歩いていきます。岩壁を登って来た登山者は滝沿いコースへ下っていきました。この尾根コースは、私と私の後をついて来た2人組の登山者しか歩いていなかったです。ヤマレコの登山地図にはコースとして記載されていないので、バリエーションの分岐だと思います。
登山者で密だった滝乃茶屋の周辺とは異なり、静かな山歩きが出来ました。阪神深江駅からの登山道と合流すると、六甲山からの下山者と数名すれ違いです。
木々の隙間から下界が見えますが、距離が近いですね。神戸には、明治時代から続く「毎日登山」という習慣がありますが、これだけ街から近い場所にあれば、手軽に山に登って健康促進できそうですね。
中央に見える一番高いビルは「あべのハルカス」だと思います。
風吹岩で初心者コースや滝沿いコースと合流しました。人が一杯休憩しています。
工事の関係で立ち入り禁止になっている風吹岩の側には、可愛いニャンコロリがいました。風吹岩周辺で暮らしている猫のようです。だいたい出逢えるようで、人慣れしてます。
休憩は手短に澄まして、登山再開です。こちらは、六甲山で見かけるイノシシです。お昼寝タイムのようなので、刺激しないように通過します。
少しだけ寄り道して横池へ寄ってみます。
遠くから見ると、池の水は黒かったのですが、近くで見ると透明です。
睡蓮の花が見頃でした。睡蓮と蓮って、同じ植物だと思っていたのですが、実は違う植物でした。簡単な見分け方は、水面に咲くのが睡蓮。水面より上の方で咲くのが蓮です。
花こう岩でできた登山道を下っていきます。
六甲山渓流の水質は大幅に改善されているそうですが、途中で見かけた看板には、汚染されて飲み水に適さないそうです。
ベンチがある雨ヶ峠に到着したので、ここで間食休憩です。
渓流を渡渉し、七曲りを登っていきます。段々と疲労がたまっていきます。小学校に入学していない親子登山者を何組も見かけました。
登山道の終点まで登り詰め、一軒茶屋まで来ました。登山バッジの購入や食事ができます。実は、ここへは車で行けます。六甲山の山頂直下には車道があり、わざわざ芦屋川駅から登って来なくても良いのですが、登山者としてはやっぱり山頂へは、なるべく歩いて行きたいです。
一軒茶屋から5分程で標高931mの六甲山の山頂に到着しました。ここで昼食にします。下山先は有馬温泉が人気のようです。
山頂からの景色は、ちょっと期待外れのように思います。360度の展望とはいかず、大阪よりの街並みがメインでした。六甲山天覧台からの夜景に期待したいと思います。
一軒茶屋まで戻り、そこから車道と並走する六甲縦走路を組み合わせながら六甲ガーデンテラスへ目指します。登山者に負けず、ロードバイカーともすれ違います。車道脇を歩いたほうが楽ですが、無駄にアップダウンのある六甲縦走路を中心に歩きます。
ショウジョウバカマが沢山自生していましたが、花は咲き終えて実になっていました。
六甲ガーデンテラスが見えてきました。
六甲アイランドや神戸空港が見えます。
コアジサイ
タツナミソウ
六甲ガーデンテラスに到着しました。観光客だらけですが、おやつ休憩です。アイスクリームはちょっと甘すぎです。底に敷かれた無糖のコーンフレークはなくても良いかも。
六甲山の山頂よりも、見晴らしの塔からの景色の方が良いと思います。
網目になっている建築物は自然体感展望台「六甲枝垂れ」です。入場料が必要ですが、どちらかというと中に入るよりも、周囲から見る建物のライトアップが人気のようです。
ちょうどよいバスがなかったのと、歩いても行ける範囲だったので、そのまま歩いて六甲高山植物園に来ました。受付で「青いケシ」について尋ねるとまだ咲いているとの事です。
ヒマラヤの青いケシ
メコノプシス・ベトニキフォリア(Meconopsis betonicifolia)です。一般にヒマラヤの青いケシと言えば、この種を指します。初めて出会えた植物です。この薄い青さが、その美しさの根源です。中国やミャンマーに分布しています。
同じ種でも、色違いも咲いてました。やっぱり青が個人的に好みです。他の種のケシと比較すると栽培しやすいそうです。
白花のケシ
コマクサ
ヒマラヤウバユリ
ヒマラヤに分布する大型種で、人間の背丈を超えていました。そのDNAを少し分けてほしいと思うくらい、私の身長といったら、、、トホホ。
アリマウマノスズクサ
漢字で書くと有馬馬の鈴草となります。この有馬ってもしかして六甲山のすぐそばにある有馬温泉の事かと思って、気になった植物です。実際に、有馬温泉の近くで発見された事が名前の由来でした。
ちなみに、神奈川県にある日本百名山の丹沢山塊にはタンザワウマノスズクサが自生しています。
キヨスミウツボ
歯が一杯地面に落ちていると思ったら、それは間違いです。抜歯された訳ではありません。腐生植物でアジサイの根に寄生してました。
こちらもキヨスミウツボです。色は加工しておらず、そのままです。ちゃんと歯はホワイトニングしておかないとですね。
オオバオオヤマレンゲ
この純白の花弁を見た時、天の羽衣かと思ったほど、薄くて白くて、しわのような萎れがない存在でした。学名の種小名(sieboldii)は、ドイツ人のシーボルトに由来します。
閉園前に、植物園を後にして、近くにあるオルゴールミュージアム前バス停からバスに乗りました。目的地は六甲有馬ロープウェー山頂駅です。歩けなくもないけれど、地道に遠かったのと疲れました。
側には六甲山天覧台と食事処のTENRAN CAFEがあります。夜景はここから見るのですが、それまでやる事がないので、時間つぶしです。天狗岩まで歩いて、そこから夜景を見ようかと思っていたのですが、翌日に疲労が残らないように無理をしない事にしましあ。
日が落ち始めて、寒くなり始めた頃、TENRAN CAFEで夕食にします。淡路鶏のから揚げです。カフェのデッキからは淡路島が見えました。
カフェが終了してから、ようやく夜景の見頃の時間帯になりました。こちらは大阪方面の夜景です。
こちらは神戸方面の夜景です。日本三大夜景の1つである兵庫県神戸市摩耶山からの夜景は、正確には六甲山天覧台ではなく、摩耶山掬星台のようですが、見える景色に大差はないと思います。
夜景を鑑賞した後は、歩いてではなく、六甲ケーブルで安全に下山しました。ケーブルカー到着に合わせてバスに乗って六甲駅で下車し、電車で帰りました。
今回は大阪や兵庫に住んでいる人なら登山者でなくても馴染みのある山、六甲山を歩きました。私にとっては初めての山でしたが、地元の人にとっては親しみやすい山なのだと知りました。また、初めましての植物に沢山出会えました。
日程表