天城山は展望があまりない山ですが日本百名山に選ばれています。登るにはいつが良いか調べると固有種のアマギシャクナゲが5月中旬から6月初旬に咲いているので、その時期にと考えていました。また紅葉も綺麗な場所みたいです。
いつ登るか、縦走するのか周回するのかで、天城山に対する感想が登山者によって異なってくる山です。
まずは伊東駅からバスで天城縦走登山口へ向かいます。アマギシャクナゲが咲く時期だけあって、バス停の行列が目立ってました。1時間程車内で立って登山口に到着しました。トイレに行ってから登山開始です。
今回のルートは万三郎岳と万二郎岳に登って周回するシャクナゲコースです。天城山とは連山の総称で、天城連山や天城山脈とも呼ばれ、天城山と言う山頂はありません。
登山道は危険な箇所はなく、滑ったりする事もありませんでした。老若男女迎え入れてくれます。八丁池と旧天城トンネルへの縦走は時間の関係で断念しました。
左に見えるツルツルの木はヒメシャラです。天城山を代表し特徴的な樹木だと思います。登山者は映り込んでませんが、登山口からまだまだ近いため登山者が前にも後ろにも大勢います。
三又に分かれた四辻に到着しました。ここから周回コースになるのですが、どっちから行こうか考えます。お昼ご飯を万三郎岳と万二郎岳どっちの山で食べようか考えた時、より標高が高い万三郎岳で食べる事にしました。なので単純に先に万二郎岳を通過する時計回りに進む事にします。
ルート
大名行列を追い抜きながら進んでいきます。
苔も見かける事が出来ます。夏期には雨が多く、年間降水量が4,000mmになります。綺麗な苔を見るなら雨が降った翌日に登ってみても良いかもしれません。
標高を上げていきます。展望はなくても空が開けているだけで気分は明るくなります。登山開始してから1時間程で万二郎岳に到着します。
ツツジが咲いていました。緑一色の世界にピンクがあると綺麗と思うのか、どこにでも咲いてる花で何とも思わないのか、人それぞれです。
マムシグサです。秋に結実した姿がインパクトが強すぎて苦手です。
標高1,299mの万二郎岳に到着しました。山頂は狭いですが、休憩できます。万三郎岳は展望がなかったので、四辻から半時計回りに進んで万二郎岳でお昼ご飯にするのが良かったと思います。
ここが一番展望が良い場所になってます。ちょっと物足りない景色ですね。
風力発電しているのが見えました。のどかな感じに見えます。
万三郎岳へ向けて標高をいったん下げてから登り返します。目の前に見える山が万三郎岳です。
幹が自由な方向に枝分かれしてます。
木漏れ日の登山道を歩いて行きます。
シャクナゲコースと呼ばれていますが、まだアマギシャクナゲを見かけていません。まだ時期的に早かったのか少し心配になりながら、どこかに咲いてないかキョロキョロ探します。
シャクナゲの葉っぱは特徴的なので、まだシャクナゲに遭遇していないのが分かりやすいですが、この時は知識がなかったため既に遭遇しているのか分かりませんでした。
木の梯子もあります。
木々の隙間から先程登った万二郎岳が見えます。登り返してます。
万二郎岳とは違った角度の景色も見えます。
ズームすると大室山が見えました。ここは700年余りの歴史を持つ伝統行事「山焼き」が毎年行われます。山焼きの理由は、茅を収穫して利用するため、山に木が生えないよう年に一度山焼きを行っていたのが伝統行事として今も残っています。
アセビのトンネルを通過します。ただアセビの花は見当たらなかったので、時期的には遅かったと思います。
雰囲気はとてもあります。
足元には小さな森が広がっていました。セイタカスギゴケはよく見かける苔で、かつ背の高さと形から覚えやすい種類だと思います。
石楠立に到着しました。特に何もありません。シャクナゲは漢字で書くと石楠花と書きます。もうすぐ遭遇しそうですね。
アセビが咲いていました。後れ咲きでしょうか。似たような言葉で「忘れ咲き」があるのですが、忘れ咲きは時期外れに花が咲く事のようです。
空を見上げると、密集した木々の葉が重ならずにまるで空に地割れが起きたかのように見えるこの現象「クラウン・シャイネス」がありました。
木の根っこが絡み合った登山道は雰囲気があります。進んでいくと...
アマギシャクナゲの群落地になっていました。シャクナゲのトンネルになっており、花真っ盛りでした。思っていたよりも花が大きかったです。
葉っぱが特有的です。個人的には花は濃い色よりも薄い色の方が好みです。
遠くに大島が見えました。
シャクナゲの蕾
天城山の最高峰であり標高1,406mの万三郎岳に到着しました。ベンチが空いていたので、ここで昼食にします。ガスバーナーでお湯を沸かして定番のカップヌードルとサバご飯です。鍋は汚れず拭くだけなので、家に帰ってからの洗い物は何もありません。
ちなみに八丁池や万三郎岳、万二郎岳を含めた天城山は特別保護地区になっておりテントは禁止されています。ただ日帰り縦走はバスの時間が厳しいためか、万三郎岳や八丁池でテント泊している登山記録をよく見かけたりします。
万三郎岳下分岐点の方へ下って周回していきます。シャクナゲの花の密集具合がすごい場所がありました。豪華ですが、先程のシャクナゲのトンネルに咲いてた花の密集具合が綺麗だと思います。
シャクナゲが咲いている場所は限られています。
今回、動物に出会う事はありませんでした。伊豆半島にはかつてツキノワグマやカモシカが生息していたようですが、明治時代には絶滅してしまいました。
伊豆半島から遠くない丹沢山塊にはカモシカが生息しているのですが、丹沢は私のホームでありながらまだ見かけた事はありません。
涸沢分岐点は以前は分岐点だったようですが、通行禁止によって分岐ではなくなっているようです。そのまま通過します。
シャクナゲが少しだけ咲いていましたが、ここでおしまいです。
緑豊かな道を歩いて行きます。
鎖の補助が付いた梯子です。
帰りのバスは本数は多くなく1時間に1本で午後は15:15までバスがありません。このままのペースで歩くとバス停で1時間以上待機する必要があります。しかし今回の天城山で見るものは一通り見たので、このままのペースで歩く事にします。
天城縦走登山口に到着しました。ここにバス停がありますが、始発ではここではなく、少し上にあるゴルフ場になります。どんなに早くここで並んでても、ゴルフ場でバスに乗らないと車内で座る事が出来ないと思います。
天城縦走登山口から歩いて2分程でゴルフ場である天城高原ホテル場バス停に到着しました。ここでバス待ちの列にリュックを置いて列を確保します。バスはゴルフ利用客優先のため、どんなに早く並んでても、ゴルフ利用客が先に乗り込みます。ちなみに、ここに並ばず天城縦走登山口バス停でバスを待っている登山者が意外に多くいました。
天城山の登山バッジはゴルフ場の入口で販売してます。
今回の登山はアマギシャクナゲを鑑賞する登山になりました。天城峠への縦走は天城峠から修善寺駅への最終バスが17:49にありますが、休憩なしの標準タイムで天城峠に到着する時間が16:05くらいです。昼食時間や休憩時間、道迷いした場合を考えると今回は断念しましたが、いつかは日帰り縦走してみたいと思います。
日程表