ルート
ジャバラマットはエアーマットと比べると寝返りが難しく、背中が痛くて何度か夜中に目が覚めました。夜に小雨が降るような音がしたのですが、朝方も小雨が降ったり止んだりを繰り返しています。
テントの入口を開けて外を見るとテント場はガスってます。いっきに帰りたい気持ちが高くなります。天気予報では4日目も朝から雨の予報です。2日目の今日も展望がない登山なら、朝のバスに乗って帰宅しようか迷いました。
今日どうするか結論は決めかねたまま、とりあえずテント内で菓子パンを食べて、水場に水を汲みに行きました。なんと数組の登山者が登ってきています。こんなガスっている日にテントを張り始める人や、そのまま金峰山へ向かう人がいます。
みんな下山してたら完全に流されていたと思いますが、登りに来ている!負けんばい私!テントをしまい、金峰山へ目指す事にしました。一応明日は天気が良か。
荷物がこれ以上入らない程の重たいリュックが足かせになり、登りはすごく堪えます。今日は次のテント場まで6時間あり、リュックは背負ったままです。
周囲はガスっており、ガスの水滴がまとわりついた蜘蛛の巣だらけの苔の森でした。人が通る場所は蜘蛛の巣はないので、蜘蛛嫌いでも心配しなくて大丈夫です。静かな朝に鳥の鳴き声が複数聞こえました。
大日小屋まで来ると、大日岩が見えてきました。瑞牆らしさを感じます。
大日小屋に到着です。ここはすごく汚く宿泊する人が滅多にいないようですが、中をのぞきたいと思います。
もう廃棄処分して良いような茣蓙や毛布らしきものが置いてあります。これは... 私は泊まれないですね。
鎖場が何か所かあり、積極的に使っていきます。手の力を使えば、足の負担が軽減されます。ストックを使う登山者の気持ちが良く分かります。楽ですよね。私も今後ストックを使おうか迷いますが、写真を撮るのにストック邪魔になるし、泥で汚れたストックの後始末も面倒くさいし...
シャクナゲに季節外れの花が咲いていると思ったら、得体のしれない何かでした。
ポケモンのトゲピーみたいなキノコを発見。シロオニタケか何かだと思いますが、色んな形のキノコがあるんですね。
大日岩が目の前に見える場所まで到着しました。この鎖場を通過します。
大日岩。ここまでコースタイムで90分ですが、所要時間は80分。重たい荷物でもコースタイムに遅れる事なく歩けているようですが、まだまだ登山開始序盤なので、遅れだしたりするのか検証していきます。
静かな森で響く鳴き声の主を見かけました。他の種類の鳥も鳴いています。
どんな登りも急登に感じる道を進んでいくと、その先に視界が開けた場所が見えてきました。
砂払ノ頭に到着しました。ここから展望の良い尾根になります。
ただ残念な事に、ガスっているので景色はほぼありませんでした。
やっぱりバスに乗って帰れば良かったと後悔しながら尾根を歩いていると次第にガスが取れていきます。360度の雲海が広がり、遠くには雲海に浮かぶ山々が見えてきました。
残念ながら標高の低い瑞牆山は雲海の下にあるようで全く見えません。昨日瑞牆山に登っておいて良かったです。結局今日一日瑞牆山は見えませんでした。
金峰山の尾根は森林限界を超える高さにあり、雲海よりも高い場所にあるため幸運です。
ガスが下から上ってきますが、標高が高いためか、尾根を覆う事なく跳ね返っています。
向こうに見える直立した大きな岩は五丈岩で、その先に山頂の標識が立っています。山頂と金峰山小屋の分岐があったので金峰山小屋へ向かいます。左に見える岩がある場所に小屋があります。
裸足で渡ったら痛い橋を通過すれば小屋に到着です。
今回、お菓子は塩キャラメルと塩飴しか持ってこず、後悔してました。チョコレート、特にスニッカーズが食べたい気持ちがあり、金峰山小屋で何かお菓子が売っていたら買おうと思います。
小屋に到着すると願いが通じたかのようにチョコレートやコアラのマーチ、スニッカーズなど売っています。一律250円で、山の中でそんなに高い値段ではありません。
買おうと思ったのですが、なんと15時まで不在と書置きがありました。う~ん残念。
メニュー表を見ると、カップラーメンが最近値上げしたような痕跡があります。他の山小屋でも去年400円だったカップラーメンが500円に値上げしていたりするので、値上げラッシュなのかもしれません。ヘリでもボッカでも、荷揚げ大変ですよね。
小屋の側にある大きな岩のてっぺんに人の力で積み上げたような石があります。誰がどのように石を積んだのか分かりませんが、趣があります。
元の道を戻る事なく山頂へ向かいます。山頂に行ってから小屋へ行くと、大弛峠へ行くのに再度山頂に登らないといけないので先に小屋へ寄った次第です。
金峰山の山頂に到着です。思ったより登山客が多く、山頂と五丈岩にある広場合わせて30人程休憩していました。
なんだか雲海に浮かぶ天空の城ラピュタにいるような感覚になる程、雲海がどこまでも広がります。金峰山の山頂付近しか雲海から顔を出していないせいで、島が雲海に浮かんでいるようです。
富士山も顔を出していました。
今日宿泊する大弛小屋を目指して標高を下げていきます。
少し標高を下げただけで木々と苔に再び囲まれた世界に戻ってきました。
下りはリュックがどんなに重くても走るように進む事が出来ます。足が地面に着地した時の衝撃はリュックが重い程強くなりますが、気になる事はありませんでした。
変わった色の木があると思ったら、チョコミントが飲みたくなってしまいました。金峰山小屋でお菓子が買えなかったため、欲求が増しています。下山したらコンビニでチョコミント買わねば♪
倒木が苔の箱庭みたいになっていました。キノコと芽吹いたばかりの幼木がアクセントです。
標高を下げたら、たいてい待ち構えているのが登り返しです。もうひと頑張りを繰り返すのみです。振り返ると金峰山の姿が良く見えました。
朝日岳へ到着です。朝日岳と言う名前の山は全国各地にありますが、どの朝日岳が有名なのでしょうか。
山頂からは金峰山の山頂からここまでの樹林帯ルートが見渡せました。
朝日岳から大弛小屋まではコースタイムは50分で、本日の登山の5/6は踏破しています。終わりが見えてくるとメンタルが回復し、足は疲れたままでも歩けます。
朝日峠は特に景色はなかったので休まず通過します。
大弛峠に到着です。登山はじめは小雨が少しありましたが、全体的に雨は降らず、景色も見れ、本日の登山はここで終了です。下山せずに良かったと思えた天気でした。
大弛峠は駐車場だけでなく、土日はバスもでているようです。これならバスを利用し1泊2日で、瑞牆山・金峰山・国師ヶ岳・北奥千丈岳に登れます。
大弛峠の横にある大弛小屋に来ました。大弛の読みはオオダルミです。恥ずかしい事に、私は最初読めませんでした。
テント場利用の受付をしに小屋に入ると、「本日不在」と書かれてあり、料金箱にテント場利用料800円と入れました。
受付が済んだら、早速テントを設置します。時刻は午後1時を過ぎていますが、自分のテント以外ありません。小屋に人はいないし、テント場も自分だけだったら、夜中恐ろしくて眠れません。夜、誰かの足音がテントの周りでしたらどうしよう?ネットでググるとテント泊での怪奇現象の話が色々出てくるので、そんな事ばかり考えてしまいます。
気分を切り替えて、昼食を作ります。チキンライス風お粥です。お味はまあまあです。せっかちな性格のせいでアルファ米をお湯で戻す15分が待てず、戻しきらないうちに食べてしまいます。
食事も終え、テント内でゴロゴロしていると、外で外国語が聞こえました。テントの前を行ったり来たりしているようなので、顔をのぞかせると、どうやらテント泊したいけれど、小屋に人がいないため困っているようでした。
受付の方法を教えながら、心の中では1人で夜を過ごさずに済む安堵を感じてました。
15時を過ぎた頃に、車で小屋の主人が帰ってきました。実は持参した食料が最低限だったため、少しお腹が空いていました。
小屋の人も帰って来てからひと段落したであろう16時に、調理が簡単なカップラーメンを食べられないか小屋をのぞいてみました。看板にはラストオーダー15時半と書いてあり、時間は過ぎていましたが、聞いて損はありません。
ダメ元で聞いてみると、テント泊で食料少し足りなくなったのかな?と言われ、本日は営業しないけれどカップラーメンくらいなら良いと言ってもらえました。とってもありがたいです。しかも車で来れる場所であるためか300円とお安いです。
とっても美味!ラーメンの麺が恋しかったです。
実は昨日、小屋の人が小屋を不在にしていたら、テント泊料金で小屋に素泊まりした人がいたみたいです。素泊まり料金4,500円に対してテント泊料金は800円なので、痛い損害ですね。
この峠は駐車場があるためテントを張って泊まらず、車中泊する人が多いようで、そういう人が帰宅中にエコノミー症候群を発症して事故を起こしやすいと話してました。
テント泊利用者は最終的には6張くらいになりました。もうお化けの心配は皆無で快眠できそうです。
夕食はカレーライスとコーンクリームスープです。ラーメンの追加資源もあり、お腹いっぱいになりました。
今日はずっと雲海で下界の街並みを見れませんでしたが、夕焼けは雲海の方が綺麗だと思いました。大弛峠で車中泊する人の目的は、ここで見る夕焼けと翌日の朝から金峰山に登る事みたいです。
明日は天気どうなるのでしょうか?4日目は天気悪いため、明日、国師ヶ岳と北奥千丈岳に登って、そのまま大弛峠から出ているバスに乗って下山する事も出来ます。翌日どうしようか迷う毎日です。明日の事は明日考える事にして、就寝です。