ルート
今回は瑞牆山と金峰山、甲武信ヶ岳の3つの日本百名山を縦走します。
今までテントを背負っての登山や食料を背負って登山をした事はあります。しかしテントと食料の両方を背負って登山する事は初めてであり、重たい荷物を背負って4日間縦走できるのかは未知数です。コースタイム通りに歩けるのかも今回の登山を通して知ろうと思います。
実は今回利用するテント場にある小屋はテント利用者には夕食と朝食どちらの提供もなかったりします。従ってテント泊するなら食料も持参する必要があります。昼食の提供は提供時間内なら誰でも食べられますが、平日は無人になる小屋もあります。
前置きはこれ位にして、旅を始めたいと思います。
まず、最初に登る瑞牆山へ行くために韮崎駅に来ました。ここの2番バス停から春から秋の間、毎日登山バスが出ています。
始発の時刻は8:50ですが、2本目の9:35に乗りました。瑞牆山は2本目までのバスに乗れば日帰り登山も可能ですが、山梨は遠いので行くなら縦走にしようと考えてました。みずがき山荘行のバスに乗って1時間弱揺られます。
乗客は私1人だけでした。紅葉の時期でないためか、平日のためか、バスが2本目だからか、車でも行けるからなのか、日本百名山なのに乗客が少ない...
終点のみずがき山荘バス停に到着し下車しました。
テレビで見た瑞牆山の駐車場がある登山口は山の麓に芝生が広がる印象なのですが、バスで来るとそこには行かないようです。時間のかかる不動滝コースなら芝生広場を通過しますが、もうすぐ正午になる今日、瑞牆山に登るには別の最短コースをピストンしないといけません。
さっそく今日のテント場所である富士見平小屋へ登り始めます。重たいリュックを背負っての登りは足が簡単には持ち上がりません。荷物がなければ小走りで登れましたが、根気よく重みを感じる足を動かします。
道は幾つもの小さな分岐が無数にあり、どの道も踏み跡がありました。どの分岐を進んでも同じ道に合流するのだと思いますが、初めて登る山で、登山客がいないため少し不安になりました。富士見平小屋へ到着するまでにすれ違った下山者は数組で登山者はゼロでした。
階段を上ると幅広の道に出てきました。そのまま幅広の道を進むのか、段差を上る道を登るのか、どっちでしょう?地図を取り出すと、どうやら幅広の道は芝生広場へ行き、富士見平小屋へは行くには段差を上る道を選ぶようです。
無数の小さな分岐を適当に選びながら登るといきなり視界が開けてきました。瑞牆山に初対面。「はじめまして、今日はよろしくお願いします。」
瑞牆山の写真撮影を終えて再度登っていきます。暫くすると分岐点がありました。道標があるので迷いませんが、地図を見ると林道の方へ進むと芝生広場へ繋がるようです。普段地図を持参しても見る機会がないのですが、今回は役に立ちそうです。
水場に到着しました。地図には富士見平小屋に水場が記されていますが、小屋は見当たりません。ここは地図に記載されていない別の水場なのかもしれません。バス停から小屋まで50分の距離なので、もしここが別の水場ならここで水を組む必要はありません。
ちょうど近くに登山者が休憩していたので小屋までの距離を聞いてみると、あと3分程らしいです。つまり、ここが小屋の水場って事ですね。ここで水を組まずに小屋まで行っていたら、水を組みに再びここまで来る手間が増えてました。
空っぽで持って来たペットボトルと飲みかけのペットボトルに水を満タンにしました。
翌朝この水場に水を汲みに行った時、登って来た登山者に小屋まであとどれ位か同じ質問をされたのですが、考える事は多分同じかもしれないですね。二度手間は面倒...
富士見平小屋に到着し、テント場の受付をしました。
外には料理のメニュー表があります。ジビエ料理が有名な小屋なのですが、何時まで注文可能か聞くと、夜8時頃の消灯する時間まで大丈夫との事でした。夕飯のお供として猪肉のソーセージを注文してみようと思います。
テント場は家族専用スペースや女性専用スペースもありました。スペースは平坦で小石も少なく使い勝手が良さそうです。今日のテントは数張のみでした。
これが愛用の55Lリュックです。Amazonで購入したものですが、腰ベルトや肩ベルトも問題ありません。唯一の難点は背中が汗でびしょびしょになりやすく、通気性はないので濡れたままです。テント泊の時はいつも活躍してくれています。
こちらが中国製の愛用テントです。2人用で1.7kgの軽さなので、手頃な値段と軽さでこれを購入しました。2人だと若干狭いかもしれませんが、1人だとスペースが余ります。
高級品ではありませんが、最近の山は物騒で盗難事件が多発しているので盗難・転売防止のためにピカチュウと名前をテントに書いてます。もちろんシェラフや衣類にも名前入り。前回の登山で五竜山荘のTシャツが盗まれてしまったので、今回は対策済です。
このピカチュウ、甲武信小屋テント場で私の隣にツェルト泊した方から絵心あると褒めてもらいました。
お昼ご飯がまだなので、持参したおにぎりを食べたら、貴重品と水だけを頂上ピストン用の折りたたみリュックに入れ、それ以外の荷物はテント内へ置いてきます。では、富士見平小屋から瑞牆山へ向かいます。
リュックが空気の様に軽いため、上り坂でも小走りできます。重たいリュックを背負った後だと背中に羽が生えたような不思議な感覚でした。
登山道からは瑞牆山の姿が眺められる場所がありました。この岩と緑のコントラストが瑞牆山の魅力ですね。
渡渉箇所がありますが、石の上を歩けば問題ありませんでした。
沢を渡れば桃太郎岩に出会えます。一見バランス悪そうに立っているように見える岩を支えているフリをしている枝は定番ですね。どういう人が枝を追加するのでしょうか?
瑞牆山へのルートについて事前に情報収集はしていなかったのですが、鎖場が何か所もあるようです。ストックをいつも使わないので手の力が余っています。今手の力を使わずに、いつ使うの?ここで使います。鎖を避けても通れますが、あえて♪
階段が出てきました。思ったのは、段差の高さが少なく、手すりも両端にあり、足元が平行になった作りです。とっても親切設計の階段です。
お花の見頃は過ぎ、紅葉にも早い季節でも一部のお花は見れました。瑞牆山や金峰山、甲武信ヶ岳と言ったらシャクナゲが多く生息しているので、花が咲く6月頭前後が綺麗な花道になっていそうです。
倒木で登山道が塞がれていると、短足な私にとってすごく困ります。幸い荷物が軽いので今回はなんとかなりますが、本当に足長の美脚になりたい!
瑞牆山のごつごつした岩の外観から想像つくように、登山道も岩場だらけです。浮石もあるので、落とさないように進みます。短足の大敵である段差の大きい岩場もあります。足長の美脚になりたい!
あれまあ。枝の数が少ないのは、桃太郎岩で遊んで飽きてしまったのかもしれないですね。
鎖場はまだまだ出てきます。鎖を使って登りながら思うのは、登山靴の底のグリップ力って偉大だなって事です。だからって過信は禁物だと認識しなおします。
傾斜が急でかつ岩が1つ1つが大きく足を持ち上げるのが大変な場所を進むとT字分岐に到着しました。目の前には大ヤスリ岩がそびえ立っています。ロッククライマーはここを登るのだから、高所恐怖症の私にはこの岩の上が山頂でなくてほっとします。
分岐の左側は紐が張られていますが、新しい登山道で、整備中のため初めての人だと道迷いの可能性があるようです。山頂へは右側を進みます。
まだまだ岩岩岩岩岩...岩場が続きます。重たいリュックを背負ってたら、かなりしんどいと言いますか、重心バランス崩しそう。
ちなみに振り返ると、今まで樹林帯だったのが景色が開けて眺めが良くなっています。しかし山頂でそれ以上の展望が待っています。
急な岩場を登りに登り、やっと着いたのは不動滝コースとの合流地点です。あと10分で山頂です。
この梯子を上ると... ついに... 山頂だ!
目の前には約270度近い角度の絶景が待ってました。右奥に見える僅かな突起のある山が明日向かう金峰山です。
標高は2,230mあり、みずがき山荘バス停との標高差は約700mです。金峰山や国師ヶ岳、甲武信ヶ岳などの奥秩父の山の中で標高が高い山とは呼べないかもしれませんが、山頂から開けた景色があり、山自身の見た目もインパクトがある瑞牆山は、来て良かったと思える山でした。
眼下にある大ヤスリ岩は瑞牆山のシンボルマークのようです。富士山は雲の中でしたが、それ以外は天気に恵まれ様々な山が見れました。
大ヤスリにクライミング中の人がいました。恐怖しかありません。この広い山頂でさえ足が震えてしまっているのに...
一番奥には八ヶ岳が見えました。八ヶ岳連峰って結構長いんだと遠くから見て、実感しました。北八ヶ岳と南八ヶ岳に分けて呼称しますし、やはり南北にとてつもなく長い。
浅間山がある方角です。後から山頂に来た親子は日帰りでここに来たそうです。なんでも神奈川に住んでいたが山が好きで山梨に引っ越ししたとの事。その気持ち分かります。神奈川から山梨って電車だとすっごくめちゃめちゃ遠い。
山頂での休憩が終わったら同じ道で下山します。下山中もやっぱり瑞牆山の姿が見える場所で再度見てしまいます。
夕飯には早い時間にテント場に到着しました。今回持って来た荷物の一部です。食料を見ると質素かつバラエティーに欠けますが、55Lのリュックではこれ以上入りませんでした。餓死しない程度の4日分の食料はあります。
今日の夕食はたらこスパゲティーとコーンスープです。スパゲティーは3束分持ってきており、2食作る予定です。
旅の後半きっとお腹すくだろうとスパゲティーの量をきもち少なめにしたつもりが、想像以上に少なくしてしまいました。その影響で次回スパゲティーを作った時山盛りになり、吐き気を催します。
味の感想は、今度食料持っていく時はスパゲティーでなく、ラーメンにしようと思いました。
食後は富士見平小屋でお待ちかねの猪肉のソーセージを注文しました。あれ?思っていたよりも短いサイズでした。2本で1,200円なので非常に高価です。野菜が付いているのは有難いですね。
肝心の味ですが、臭みは感じないけれど... 市販のソーセージ食べた方が安くて美味しいね!
猪肉が珍しいので頼んでみました。この小屋のオススメソーセージはどちらかと言うと鹿肉だと思います。臭くないように部位にこだわっているようです。
食後は早めにテント内で就寝しました。余談ですが、猪がこのテント場を突っ切る事があるんだとか。