今日はザイテングラート経由で奥穂高岳の山頂を目指します。それだけだと時間があまってしまうので涸沢岳の山頂も目指します。
朝は4:30起床でそのまま涸沢小屋へ向かいましたが、残念ながら5:00からの朝食には定員オーバーしてしまい、5:30からになってしまいました。
朝食はよくある山小屋の朝食メニューですが、朝のお米も夕食時同様に美味しかったです。夕飯のお米も美味しくないけれど、朝はもっと美味しくない事があったので、とても嬉しいです。
涸沢カールの代名詞であるモルゲンロート(朝焼け)が観られる時間までになんとか食事を終える事が出来ましたが、残念ながら朝焼けはガスの中で観れませんでした。涸沢カールに2連泊する計画なので、明日に期待します。
台風が近づいてくる影響で天気が悪く、今日に限らず明日も曇りや雨の天気予報です。
(まさか明日、モルゲンロートが観れるなんてこの時は思っておらず諦めてました。)
昨夜はシェラフにぐっすり眠れました。ただ、コンパネと登山マットだけでは寝床が固く、シェラフの中で寝がえりがうてないためか、体がこっていました。
テント受付場の側からザイテングラートへ続く登山道を歩いて奥穂高岳を目指します。奥穂高岳ではなく難易度のより低い北穂高岳を目指す事も出来ましたが、日本百名山であり日本で3番目に高い奥穂高岳に登ってみたい気持ちがありました。両方行く選択は次回以降にしておきます。
涸沢小屋からもザイテングラートへ続く登山道があり、途中でこの道と合流します。ただ、テント受付場側からの道がパノラマコース(上高地と涸沢カールを結ぶパノラマコースとは別物)と呼ばれており紅葉がより綺麗で展望が良いです。
ナナカマドの赤い紅葉
ザイテングラートが見えてきました。遠くから見ると、本当に登れるのか疑問に思うような鋭い傾斜と張り出し具合です。
しかしカメラをズームして覗き込むと、一般登山道だけあって、普通に登れそうに見えます。実際に登っている人を見る限りでは、格別難しそうには感じません。到着してからのお楽しみですね。
ザイテングラート取付に到着し、ここからザイテングラートです。途中で「小熊登山」の文字を背中に書いた台湾登山隊とすれ違いました。紅葉した涸沢カールや奥穂高岳が富士山のような国際的に有名な山になる日は近いかもしれないですね。
ザイテングラートは冬山でなくても事故が発生しており、人的な落石も発生しやすいです。なので家からヘルメットを持ってきました。これまでは槍ヶ岳で初めて使っただけなので、新品ピカピカで、愛用とはまだ言えないです。
側にいた人の話だと、ヘルメットなしでザイテングラートを登っていたが、落石を目撃してからヘルメットを着用するようになったとか。
もしヘルメットを持ってきていないなら、涸沢ヒュッテでレンタル可能です。返却場所は涸沢ヒュッテ以外に複数あるようです。
実際に登った感じでは難しい所はありませんでした。鎖場とハシゴがありますが、高度感はなく足場も狭すぎる事はなかったです。少し怖いと思ったなら、慎重に行けば大丈夫だと思います。
鎖は両手の腕力を駆使して、鎖を引っ張りながらよじ登るなんて事はしないので、心配不要です。
ハシゴは短く1ヶ所のみ
傾斜があるように見えますが、ジグザグに進んだり平坦に近い緩やかな場所もあります。
前穂高岳の方にあるタヌキ岩
ザイテングラートを拍子抜けした感じで無事に通過し穂高岳山荘へたどり着きました。目の前に見える岩山が標高日本第3位の奥穂高岳(3,190m)です。
ザイテングラートの途中からガスの中に入ってしまい、視界は残念な状況になっており、奥穂高岳も直ぐにガスに包まれてしまいました。
ザイテングラートでも見かけてはいたのですが、山荘前にはイワヒバリがいました。冬支度のため小太りです。人間を見かけても逃げない個体が多い鳥のように思います。
山荘内で小休憩後、奥穂高岳を登ります。難所は登りはじめにまとめてやって来るため、最初をクリアすれば後は気楽に登れます。ただ、標高は3,000m突破するので高山病に注意ですね。
ハシゴは2つ連続しており高度感を感じますが、下を見ずにゆっくり登れば高所恐怖症でも大丈夫でした。
鎖場は足場が狭いですが、足場をちゃんと確保して進めば心配要りません。
綿と露が似合う植物ですが、名前は分かりません。
登り始めの難所をクリアし、岩場を歩き続けて奥穂高岳の山頂に到着しました。天気が良ければ槍ヶ岳や前穂高岳、西穂高岳への縦走路や笠ヶ岳など360度のパノラマが見れたのですが、ガスで何も見れず残念です。
来た道を引き返し穂高岳山荘へ戻ります。ハシゴと鎖場を終え、穂高岳山荘を目前とした場所で、1つ難所がありました。
短い足が次の足場に届かない場所があり、後ろ向きで下りるべき場所がありました。前向きで下りると危ないと分かっていながらも、段差が大きい場所を後ろ向きで下りるのがとても苦手で、前向きで下りたくなってしまいます。
前向きで下りるのを諦めてからも、短い足が足場になかなか着かずに後ろ向きで下りるのに時間が掛かりました。
お昼の時間に穂高岳山荘に戻って来たので、山荘で味噌ラーメンを注文しました。いつもは腹持ちの良いカレーを食べるのですが、たまには麺も味わってみたかったです。お味は美味しくラーメンに外れなしです。
味噌味の場合はキクラゲ、醤油味にはワカメが入ってました。
穂高岳山荘からは奥穂高岳の反対側に涸沢岳があります。往復所要時間が45分なのでついでに寄ってみました。
こちらも岩場ですが、ただ岩場を歩くだけなので難しい場所は皆無です。涸沢カールに行ったのなら、その涸沢の名が入っている涸沢岳へ行ってみたい気持ちがありました。
山頂に楽々到着。穂高連峰に所属しているだけあって、標高は3,110mあります。展望はこちらもガスっているためありません。
今日の夕食と明日の朝食の予約を涸沢ヒュッテでしていないため長居はせず、そろそろザイテングラート経由で戻ります。
昨日撮影した涸沢岳です。展望がダメなら、せめて涸沢岳の全容をお伝えします。右側にある尖っているのが涸沢槍で、その右下にしし岩と呼ばれる獅子に似た岩があります。ザイテングラートの右上にあるのが涸沢岳です。
標高を下げるとガスの中から脱出できました。お椀のように囲まれた地形で、紅葉した山肌が美しいです。ダケカンバの数が多いのか全体的に橙色です。
赤く紅葉するナナカマドの数がもっと多く台風の影響がなかったら、さらに綺麗だった事でしょう。それでも十分綺麗です。山岳の紅葉は規模が圧倒的に壮大でした。
ザイテングラートを通過し、テント場と涸沢小屋の分岐を涸沢小屋の方へ行きます。行きと帰りは別々の道を楽しみます。こちらはパノラマコースと呼ばれてませんが、十分に紅葉を楽しめます。
涸沢小屋に少し立ち寄ると今晩のメニューはグリルチキンでした。涸沢小屋で夕飯を食べたくなりますが、涸沢小屋と涸沢ヒュッテどちらの食事が美味しいか食べ比べせずに涸沢の食事は語れないため、涸沢ヒュッテへ向かいます。
涸沢ヒュッテでの夕食の受付は16:00まででした。夕食は17:00~18:00の間で好きな時間で良いとの事で、17:00は宿泊者で込み合うから少しずらすのが良いと言われました。
17:15過ぎに夕食を食べに行くと、ビックリ。2回目の17:30からの食事だと思ったら、随時入れ替わり制で食べ終わったら席を空け、次の人が食事をする制度でした。おかげであまり待つ事なく夕食を食べられました。
味はとても美味しいですが、ちょっと濃い目の味で塩分と糖分が結構補えてしまいます。あと1日目の方に既に書いてありますが、ご飯と味噌汁以外は全て冷たいです。座席数と客が涸沢小屋と比べて圧倒的に多いため、必然的に温かい食事の提供は難しいですね。
お土産は涸沢ヒュッテの方が種類豊富ですが、バッジは1種類だけだったので涸沢小屋の方が種類があります。ネットの情報で涸沢ヒュッテは愛想がないなんて書かれていますが、実際にどうかと言いますと愛想はないです。ただ最低限の説明はしてもらえるし、山小屋はホテルではないので特に気にはなりません。ここだけじゃないし、上には上がいますね。
食後は歯磨きしてそのまま就寝しました。昨日はコンパネのレンタル完売しなかったようですが、今日は完売したみたいです。