毎日あるぺん号に乗って一ノ沢登山口に到着しました。最近の週末は雨が多かったのですが、今回は今日の午前中だけ雨でそれ以降は晴れです。紅葉の見頃なので楽しみにしていました。
今回は初めてのテント泊なのでテントを持ってきていますが、食料や調理道具は持って来ず、山小屋で食べる予定です。事前の調べで、今回テントを張る常念小屋と燕山荘はテント泊でも食事を頂ける事が分かりました。
登山ルートはBSで放映された山女日記と同じルートを歩きます。ドラマと同じ一ノ沢登山口から登り始め、常念岳で1泊。大天井岳を通過した後、登山者に人気の表銀座を通って燕岳で一泊して中房温泉へ下山します。
夜行バスは予定時刻より早く登山口に到着したのですが、雨が降っており暗かったため、持参したパンで朝食をしてました。次第に空が白んで来たのでヘッドライトを点けて登山を始めました。
悲しい事に雨で登山道が全て川のようになっていたので、暗いとどれが登山道でどれが本物の川なのか分かりづらい状況でした。
一ノ沢は名前の通り沢沿いの登山道ですが、昨夜からの雨で沢が濁流になっていました。台風は来ていません。「里で普通の雨降りなら山は大雨」と言う言葉を聞いた事がありますが、百聞は一見にしかずの状態です。
道幅の狭い登山道は川のようになっており、沢渡りは普段と異なり難所になっていました。
細い緑のロープが張ってある場所が通常の沢渡り箇所と思われますが、深さと流れが強くて断念し、少しでも浅い場所を探して渡ります。ストックが役立ちました。
大滝ベンチに到着しました。雨とテント装備で標準タイムよりだいぶ遅れてるかと思ったのですが、標準タイムだったので少し驚き。荷物は普段より重いですがヘトヘト状態ではなかったです。
川のように見えますが、普段は水が流れていない登山道です。このような道をずっと歩き続けます。最初は靴が浸水しないように頑張ってましたが、足首まで深さのある沢の端を歩く必要があったりしたので、最終的には靴の中がびしょびしょでした。
ここが沢渡り最大の難所でした。幸運な事に3人の男性が手渡しで対岸まで搬送してくれていたので、とても助かりました。ここに感謝を述べます。
聞いた話では、後から来たご老体グループはここで登山を諦め下山されて行ったそうです。諦めの決断も登山では必要ですね。
幾度もの沢の困難を乗り越えると、今度は胸突八丁です。急な階段が続きますが、沢渡りをした後だと、急登の方が心配要らずで楽に思えました。
沢の中で撮影しています。向こうの橋を渡る必要ないくらい既に沢の中にいますが、より安全を求め、なるべく沢渡りは直でなく橋を利用します。
胸突八丁を通過し暫くすると、沢とは完全におさらばしました。ここまで本当に長かったです。自力で通過できない箇所があったらどうしようか考える事もありました。
ベンチが定期的に見えてくると常念小屋まではもうすぐです。雨は完全に終えて霧の中にいます。
天気予報では午前中だけ雨でその後晴れでしたが、その通り雨が止んだ後急に霧も取れ、晴れ間が見えてきました。目の前に見えるのは常念岳の一部のようです。つまり常念小屋はもうすぐです。
そう思った瞬間に常念小屋に到着しました。ナイスタイミングです。雨登山の全てが報われるほど目の前の絶景に魅せられました。紅葉した山肌と紅葉する事のない岩肌に絶句しました。
常念小屋でテントと今日の夕食、明日の朝食の受付をしました。1泊2食付きの小屋泊だと9,800円なので、1泊2食付きのテント泊だと4,000円で5,800円もお得。節約したお金で次の登山の旅費に充てられます。
テントを張ろうとした重大なある事に気が付きました。テントの張り方を調べて来ませんでした。
一応骨組みを組み立てて布を被せる所までは自宅で予習してきたのですが、ペグを家の中で刺す訳には行かないので、そこら辺が全く不明でした。
一応テント設営してみましたが、カバーが裏表逆になっているのに気が付かないし、ゆるゆるにペグを刺してます。カバーのどの部分にペグを取り付ければ良いのやら...
この適当さが夜に悲劇を生むとは知りませんでした。
テントの中で持参のおにぎり昼食をした後は、いよいよ常念岳へ登ります。重たい荷物はテントに放り投げたので何とも楽ちん登山です。
待ち望んだ晴れにとてもウキウキしています。明日通る山々を見ながら期待が膨らみます。大天井岳はあの山?その山?どの山?
草紅葉と一緒に槍ヶ岳を観賞しながら常念岳へ目指します。今回こそは雷鳥を初めて見れる事を楽しみにしていたのですが、見れなくても悔いなしと思えるほど紅葉が素晴らしかったです。
常念岳の山頂に到着。標高2,857mで登山口が1,260mだったので1,400mほど標高差がある事になります。360度の展望台から見る景色は格別でした。ここでおやつ休憩入ります。
山頂から蝶ヶ岳の方を見ると梓川が見えます。
槍ヶ岳
手前の山を越えた向こうに見える、岩の灰色と木々の緑のコントラストが存在感を際立たせる山はなんと燕岳。ここからでも他の山に埋もれず直ぐに何の山か分かります。
明日そこまで歩くわけですが、結構距離があるように思えます。少し心配です。
山小屋の夕飯が17:00からで10分前集合との事だったので、十分に山頂を堪能した後は山小屋まで戻ります。
夕食はハンバーグでした。前回山に行った時の唐松岳頂上山荘のお米の不味さを思い出してしまい、恐る恐るお米を食べます。格別美味しい訳ではないですが、大丈夫だったのでほっとしました。お野菜がちゃんとある程度あるのは嬉しいですね。ドレッシングもあります。
食後外に出てみると夕日が奥の山に沈んだ後のようでした。明日は1日晴れの予報です。
山小屋から見る常念岳です。山頂はここから見えないので、今見えている山頂は偽ピークと呼ばれています。
紅葉が綺麗(๑˃̵ᴗ˂̵)و
小屋泊でぎゅうぎゅう詰めで寝ると、夜間トイレや星空観賞してる間に自分の寝床が他の人に占領される心配がありますが、テント泊だと何も気にせず星空を見られるのはとても良いです。
昼間は風がなかったのに夜は風が強く吹くようです。シェラフの中に入って温かく就寝しようとすると風でテントカバーがバタバタ激しい音を立てます。
もしや!ちゃんとテントを設営しなかったため?!その通りでした。正しい設営方法を今から調べる気もなれず、イヤホンから音楽をかけっぱなしにして僅かな睡眠を辛うじて得る一夜でした。
夜になると強風が吹くなんて予想もしておらず勉強になる夜でした。明日は快適にテント泊出来るようにリベンジします。