タージ・マハルは、ムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンが、1631年に死去した王妃ムムターズ・マハルのため、1632年から22年の歳月をかけて建設し、1653年に完成した総大理石造りの霊廟です。インド北部アーグラに位置し、1983年に世界遺産に登録されました。
霊廟はイスラム様式で、ドームの廟堂を中心にその周囲には4本のミナレットがあります。霊廟の前には水路を配したペルシャ式の正方形庭園があり、水面に映る逆さまの霊廟は人気があります。
霊廟は翡翠や水晶、サファイア等28種類の宝石や鉱石で装飾されています。インド建築の最高峰と称される白亜の霊廟の美しさは、当時の年代記には「天上の7つの楽園をも凌ぐ」と記されていたと言われています。
最寄り駅のタージ・マハル駅から西側ゲートまで徒歩で行けますが、電気バスに乗ることも可能です。
西側ゲートには無料の手荷物預かり所があります。ゲートはインド人専用レーンと外国人レーンが別れており、厳しい荷物チェックがあります。食べ物や飲み物、三脚、ビデオカメラ、モバイルバッテリー等の荷物は持ち込めません。不要な荷物はホテルに置いておくのが無難です。
12~1月は乾季であり、過ごしやすい寒冷な気候です。しかし濃い霧が発生し易い時期であり、タージ・マハルの霊廟が霧で隠れてしまうことがあり、訪れるのを避けたい時期です。同様にヒンドゥー暦の新年ディーワーリー(毎年10月下旬から11月上旬に開催)直後は大気汚染によって霊廟が見えません。
庭園は一辺296mの長さがあります。大楼門は赤砂岩で造られており、イスラム様式で高さは約30mあります。
水路に映る逆さ霊廟の撮影ポイントでは、闇営業しているカメラマンが占拠しています。50ルピーを支払って撮影してもらうことが出来ます。自撮りが不要な場合は、闇営業を無視して撮影が可能です。
ムムターズ・マハルとは「宮廷の選ばれし者」と言う意味の先帝から授けられた王妃の愛称で、王妃の本名はアルジュマンド・バヌ・ベグムです。王妃は身ごもった体で皇帝の遠征に同行していました。その後、14番目の赤ちゃんを出産しますが、その時の産褥熱により38歳で死去します。
霊廟の中に入ることは出来ますが、写真撮影は禁止されています。イーワーンとは一方が完全に開き、三方が壁で囲まれて、天井がアーチ状となっているイスラム様式特有の空間です。
赤砂岩で造られているモスクは霊廟を挟んで対になっている集会場と同じ外観です。ヤムナー川の対岸にはメフタブ・バーグ(メヘターブ・バーグ)があり、タージ・マハルの人気撮影地となっています。
他の場所から見たタージ・マハルです。