キタミソウとは、北海道の北見で発見されたことが名前の由来になっている一年草です。本来はツンドラ地帯に生育している植物ですが、渡り鳥によって日本に運ばれたと考えられており、氷河時代の生き残りとされています。そのため北海道から九州までの間で隔離分布しています。
草丈は5cm程で、平たいしゃもじ形をした葉は長さ2~5cmあり、ロゼット状に生えて草紅葉します。白い花冠は筒状で、先は5~6つに裂けて星形をしており、長さは2mm程です。
種子は水深がある泥の中で休眠していますが、水が少なくなって泥地が水面から露出すると発芽し、開花まで至ります。田園地帯や河川敷等の湛水と減水が繰り返される場所を好みます。
和名:漢字
北見草
学名
Limosella aquatica
分類:目
シソ目 Lamiales
分類:科
オオバコ科 Plantaginaceae
分類:属
キタミソウ属 Limosella
分類:種
キタミソウ L. aquatica
花期
11~5月
分布
北海道, 群馬県, 埼玉県, 茨城県, 奈良県, 熊本県
分布地
渡良瀬遊水地, 江津湖
その他
花冠が5裂
花冠が6裂
花は閉鎖花と自殖能のある開放花の2種類があり、花茎の先に1つの花を付けます。発芽には光が必要です。発芽してから約4週間で開花まで至り、結実した後で、匍匐茎を延ばしながら栄養繁殖も行います。
自生地では夏場は水没しており、種子の状態で休眠しています。発芽後に生育地が水没してしまっても、そのまま生長して開花まで至ることは可能です。
埼玉県
草紅葉
干上がりかけた泥地に群生しています。地表が乾燥してまた寒くなると紅葉して枯れます。果実は卵円形の蒴果で、中に無数の種子が入っています。