カンラン

カンランとは、寒い時期に咲く蘭であることが名前の由来になっている多年草です。草丈は25~60cmになり、偽球茎の基部から伸びた花茎の上部に、花がまばらに3~12個付きます。園芸種が多く栽培されており花色は多様ですが、野生個体の花は紫色を帯びた緑色をしており、赤っぽい筋やぼかしが入っています。

葉は束生し、長さは20~70cm、幅6~17mmになります。葉質は革質で光沢があり、しなやかな曲線を描きます。温暖な常緑広葉樹の林床に生え、山地や里山近くに自生しています。平地だと猪の掘り起こし被害があり、急傾斜地で生き延びていることもあります。鹿による食害もあります。

鑑賞価値が高い蘭として、野生個体は徹底的に採集され尽くしており、自生個体を見ることが難しいとされています。シュンランと自然交雑したとされるハルカンラン(春寒蘭)が存在します。

基本情報

和名:漢字
寒蘭
学名
Cymbidium kanran
分類:目
キジカクシ目 Asparagales
分類:科
ラン科 Orchidaceae
分類:属
シュンラン属 Cymbidium
分類:種
カンラン C. kanran
花期
11~12月
分布
関東~沖縄
分布地
高知県立牧野植物園
その他

詳細情報

カンラン
カンラン

花は芳香があり、3枚の萼片は長さ3~4cmと細長い広線形をしており、2枚の側花弁は長さ2~3cmとやや短く披針状線形です。唇弁は肉質の舌状で、斑点があります。花の中心部にはずい柱があります。

カンラン