イズノシマダイモンジソウ

イズノシマダイモンジソウとは、伊豆諸島に自生している大文字草であることが名前の由来になっている多年草です。ダイモンジソウの変種で、花茎や葉の表面と縁、葉柄に長腺毛が多く生えているのが特徴です。湿った岩上に生えており、草丈は5~30cm程です。

花は通常、白い花弁が5枚あり、楕円形をした上側3弁とそれよりも長い線状楕円形の下側2弁に分かれています。花弁の形や長さ、咲く向きは個体差が大きく、花弁が6枚ある場合もあります。雄しべは花弁の数の2倍だけあるため通常は10個あり、葯は朱色です。花柱は黄色で花の中央に2本あります。茎は緑色または赤色を帯びています。

日本固有種です。同じ変種の仲間としては、ウチワダイモンジソウとナメラダイモンジソウが日本に存在しています。

基本情報

和名:漢字
伊豆の島大文字草
学名
Saxifraga fortunei Hook. f. var. jotanii (Honda) Wakab.
分類:目
ユキノシタ目 Saxifragales
分類:科
ユキノシタ科 Saxifragaceae
分類:属
ユキノシタ属 Saxifraga
分類:種
イズノシマダイモンジソウ S. fortunei var. jotanii
花期
10~1月
分布
房総半島, 伊豆諸島
分布地
神津島村
その他

詳細情報

イズノシマダイモンジソウ
イズノシマダイモンジソウ

ダイモンジソウと比べると、花弁はかなり短くて幅広であることが多いです。

イズノシマダイモンジソウ

伊豆諸島だけでなく、房総半島でも自生しており、島では海岸近くから山まで自生しています。緯度や標高などの条件によって、開花時期が大きく異なります。寒くなると開花するダイモンジソウです。

イズノシマダイモンジソウ
下側の花弁2枚に鋸歯がある花
イズノシマダイモンジソウ
花弁が6枚ある花

花弁には多様性があり、様々な見た目をしています。開花後の果実は蒴果で卵形をしています。

イズノシマダイモンジソウ
腎円形の葉
イズノシマダイモンジソウ
イズノシマダイモンジソウ

葉は厚いです。個体によっては、葉の表面に毛がほとんどない場合もあります。

イズノシマダイモンジソウ
茎が赤い個体
イズノシマダイモンジソウ
花が左に90度傾いた個体