イワタカンアオイ

イワタカンアオイとは、静岡県磐田市で発見されたことが名前の由来になっている多年草です。萼筒は丸みのある鐘形で細長く、紫色を帯びたクリーム色や暗紫色など様々で、萼裂片に向かって色が濃くなったりします。口環の発達が弱いため、萼筒の入口は広くなっています。花に花弁はなく、花弁に見える部分は萼裂片です。3つある萼裂片は長く、また細毛があります。

萼筒内壁には縦横に走る隆起線があり、縦脈は約30本で、横脈は約10本です。雄しべは12個あり、花糸は葯より長いです。花柱は6個あり、その先は角状となって直立し、萼筒の入口まで達します。葉柄は紫色です。葉は葉脈の窪みがなく、強い光沢もありません。

東海地方にしか自生していない日本固有種で、絶滅危惧種になっています。低地や山地の広葉樹林の林床に生育しています。

基本情報

和名:漢字
磐田寒葵
学名
Asarum kurosawae
分類:目
コショウ目 Piperales
分類:科
ウマノスズクサ科 Aristolochiaceae
分類:属
カンアオイ属 Asarum
分類:種
イワタカンアオイ A. kurosawae
花期
11~3月
赤リスト
環境省カテゴリ:絶滅危惧II類(VU)
静岡県:絶滅危惧II類(VU)
愛知県:絶滅危惧IB類(EN)
分布
静岡県西部~愛知県東部
分布地
磐田市
その他

詳細情報

イワタカンアオイ
イワタカンアオイ

萼筒の入口が広くなっているのと、花柱が萼筒の入口まで伸びているため、花の外見から萼筒の内側にある花柱が見え、また萼筒内壁にある隆起線の模様も見えます。

イワタカンアオイ
咲き始めた個体
イワタカンアオイ
萼裂片は卵状3角形
イワタカンアオイ