ムラサキセンブリ

ムラサキセンブリとは、淡い紫色の花を咲かせるセンブリであることが名前の由来になっている一年草または越年草です。草丈は70cm程にもなり、数cmしかない子株でも開花します。茎の先端や葉腋に付く花冠は5深裂し、それぞれの裂片には濃紫色の条があります。花冠の基部には無数の毛が生えて、蜜腺があります。雄しべは裂片の数だけあり、柱頭は1個です。

日当たりの良い高原や草地、蛇紋岩地帯に生えています。葉は線状披針形で先端が尖り、無柄です。葉の長さは2~4㎝程で対生します。

センブリと同様に苦みがありますが、センブリより苦みが少ないため薬用には適していません。綺麗な花は観賞価値があり、イブニングスターとも呼ばれています。

基本情報

和名:漢字
紫千振
学名
Swertia pseudochinensis
分類:目
リンドウ目 Gentianales
分類:科
リンドウ科 Gentianaceae
分類:属
センブリ属 Swertia
分類:種
ムラサキセンブリ S. pseudochinensis
花期
10月
分布
関東以西~九州
分布地
高座山, 六甲山, 菅平高原
その他

詳細情報

ムラサキセンブリ
裂片が5枚の花
ムラサキセンブリ
裂片が4枚の花

花冠は5裂することが一般的ですが、4~7裂することもあります。円錐花序に花をやや密に付けます。葉も密に付けます。

ムラサキセンブリ
ムラサキセンブリ
ムラサキセンブリ

幾つかの自生地では草原を野焼きや草刈りをすることで、植生遷移によってムラサキセンブリの個体数が減少するのを防止しています。特に草地が森林化すると姿を消してしまいます。

ムラサキセンブリ
シロバナムラサキセンブリ
白花のシロバナムラサキセンブリ