カイジンドウ

カイジンドウとは、青紫色をした唇形の花を咲かせる草丈20~40cm程の多年草です。茎頂に5~8段からなる花穂状の輪散花序を付けます。中部の葉は卵形で対生し長さ3~8cm、縁には荒い鋸歯があり、短柄があります。葉は直立します。花冠や苞、茎、葉など全草に多細胞の白い毛が密生します。山地の明るい落葉樹林内や草原に生育し、やや乾いた場所を好みます。

花冠は長さ約11mmの筒部があり、上唇は短い半円形の2裂片で長さ2.5~3mm、下唇は3裂して開出します。果実は4つの分果からなり、分果の長さは2mm程です。

日本固有変種です。紅紫色の花も存在します。甲斐の国に生えるリンドウ(竜胆)が訛ったのが名前の由来と推測されていますが、定かではありません。

基本情報

和名:漢字
甲斐ジンドウ
学名
Ajuga ciliata var. villosior
分類:目
シソ目 Lamiales
分類:科
シソ科 Lamiaceae
分類:属
キランソウ属 Ajuga
分類:種
カイジンドウ A. ciliata var. villosior
花期
5~6月
赤リスト
環境省カテゴリ:絶滅危惧II類(VU)
山梨県:絶滅危惧II類(VU)
静岡県:絶滅危惧IB類(EN)
分布
北海道, 本州, 九州
分布地
筑波実験植物園
その他

詳細情報

カイジンドウの花
山梨県
カイジンドウの葉
白い毛に覆われて白っぽく見える葉

基部の葉はさじ状、中部の葉は卵形、上部の葉は狭卵形をしています。

カイジンドウ

明るい草原では、他の植物との競合が起こるため、人為的な管理がないと植生遷移によって個体数を減らしてしまうことになります。絶滅した都道府県も存在します。