シロテンマとは、別名ヒメテンマとも呼ばれる菌従属栄養植物(腐生植物)です。オニノヤガラの品種とする見方と品種とする見方があります。草丈は25~80cm程で、花茎の頂部に数えられる程の白い花をつけます。オニノヤガラとの違いは、草丈が低く茎が細い、また花の形態が異なり、花数が少なく、開花時期がより遅いことです。
茎は褐色ですが、まれに緑色の個体が存在します。山地の落葉樹林下や谷沿いの湿った林内等で稀に生育しており、基本的に1~3本だけ生えていることがほとんどです。塊根は楕円形で、長さは10cm程です。
テンマとはオニノヤガラのことであり、花が白いことが名前の由来になっています。
和名:漢字
白天麻
学名
Gastrodia elata var. pallens
Gastrodia elata f. pallens
Gastrodia elata f. pallens
分類:目
キジカクシ目 Asparagales
分類:科
ラン科 Orchidaceae
分類:属
オニノヤガラ属 Gastrodia
分類:種
シロテンマ G. elata var. pallens, G. elata f. pallens
花期
6~7月
赤リスト
環境省カテゴリ:絶滅危惧IA類(CR)
神奈川県:絶滅危惧ⅠB類(EN)
東京都:絶滅危惧IA類(CR)
神奈川県:絶滅危惧ⅠB類(EN)
東京都:絶滅危惧IA類(CR)
分布
北海道, 本州, 四国, 九州
分布地
富士山, 箱根, 丹沢, 英彦山
その他
花の数は5~10個の個体が多いです。
頭上の姿
菌従属栄養植物(腐生植物)は菌類に寄生して栄養を奪って暮らしている植物のことで、葉は退化して鱗片葉となり葉緑素を持たず光合成をしません。オニノヤガラと同様にナラタケ菌に寄生しています。
唇弁の先端部は細裂しますが、オニノヤガラのように顕著ではありません。観察中に、ポリネーター(送粉者)なのか蟻が花の中に入っていきました。
1本だけで生えた姿
7月
花柄と子房の境目ははっきりしており、茎についている花柄の下には苞が存在します。
ヒメテンマ(姫天麻)と呼ばれるように、茎が細く小さくて直立していない個体も多く、小ぶりな見た目です。花は下にあるものから咲き始めます。1つの花の開花期間はとても短く、見頃は1週間を持ちません。