スナビキソウとは、長い地下茎が海岸の砂地の中で伸びて栄養繁殖することが名前の由来になっている多年草です。茎の先に短い集散花序をつけ、複数の白い花を咲かせます。花冠は漏斗形で、上部は基本的に5裂し平開します。草丈は20~30cmあります。
花冠は直径1cm程で香りがあり、中心部は黄色です。葉は互生し長さ2.5~6cm、幅は0.5~2cmあり、倒披針形または長楕円状倒披針形をしており先端は鈍頭または円頭です。葉の両面や茎、萼に伏毛があります。果実は子房が裂けない核果で、外側がコルク質であることで海水に浮かび、漂流しながら分布域を広げます。
海を渡る蝶アサギマダラの雄はスナビキソウの花の蜜や茎の汁を吸いにやって来ます。
和名:漢字
砂引草
学名
Heliotropium japonicum
分類:目
ムラサキ目 Boraginales
分類:科
ムラサキ科 Boraginaceae
分類:属
キダチルリソウ属 Heliotropium
分類:種
スナビキソウ H. japonicum
花期
5~8月
赤リスト
環境省カテゴリ:指定なし
神奈川県:絶滅危惧IA類(CR)
千葉県:要保護生物(C)
神奈川県:絶滅危惧IA類(CR)
千葉県:要保護生物(C)
分布
北海道~九州
分布地
三浦半島
その他
花
果実
花は時期をずらしながら咲くため、自生地では長い期間、花を見ることができます。訪花蝶としてアサギマダラの他に、モンシロチョウやアカタテハ等が該当します。
スナビキソウには天然毒素であるピロリジジンアルカロイドが含まれており、アサギマダラの雄はそれを摂取することで体内で性フェロモンを生成します。