ミツバオウレン

ミツバオウレンとは、葉が3枚あり、黄色い根茎が節状に連なることが名前の由来になっている多年草です。茎は基本的に緑色ですが、褐色を帯びることがあります。花弁のように見える白い萼片は細長い長楕円形をしており、5枚である個体が多いですが、4~7枚など多様です。本当の花弁は黄色い部分で、萼片の数だけ花の中心部にあります。

草丈は5~10cm程あり、細い花茎の頂部に1個の花を上向きに咲かせます。葉はの表面に光沢があり、縁には鋭い重鋸歯があります。葉柄はほとんどありません。果実は袋果で、矢車状に開出します。亜高山帯や高山帯の明るい林床などで生育しています。

類似植物であるミツバノバイカオウレン(コシジオウレン)は葉が3枚で茎が褐色ですが、ミツバオウレンと比べて萼片が幅広の広楕円形であることが違いです。

基本情報

和名:漢字
三葉黄蓮
学名
Coptis trifolia (L.) Salisb.
分類:目
キンポウゲ目 Ranunculales
分類:科
キンポウゲ科 Ranunculaceae
分類:属
オウレン属 Coptis
分類:種
ミツバオウレン C. trifolia
花期
5~7月
分布
北海道~中部
分布地
男体山, 森吉山, 白馬岳, 谷川岳
その他

詳細情報

ミツバオウレン
萼片が通常の5枚ある花
ミツバオウレン
褐色を帯びた花茎

萼片の裏面は赤紫色を帯びます。萼片が重弁化した個体はヤエザキミツバオウレンと呼ばれます。雄しべは無数にある白い糸状の花糸で、先端の葯は丸く膨らんでいます。

ミツバオウレン
萼片が4枚
ミツバオウレン
萼片が6枚
ミツバオウレン
萼片が7枚
ミツバオウレン
花弁は蜜を分泌します。
ミツバオウレン
6月22日(男体山)

葉の縁は鋭い鋸歯があります。花柱はミツバノバイカオウレンより長く、また先が鉤状になります。冬は葉だけの状態で過ごします。

ミツバオウレンの群生

自生地では群生することもあり、地面一面がミツバオウレンの葉だらけになることもあります。

ミツバオウレン
ミツバオウレン
根出葉は三出複葉
ミツバオウレン
8月29日(白馬岳)