シラネアオイ

シラネアオイとは、日光白根山に多く自生し、花がタチアオイに似ていることが名前の由来になっている多年草です。「山野草の女王」と呼ばれています。花弁のように見えるのは淡い紫色をした4枚の萼片であり、花弁は存在しません。萼片が白い個体はシロバナシラネアオイと呼ばれます。開花時の草丈は20~30cmあり、開花後は60cm程まで伸びます。多雪地帯である日本海側の山地帯や亜高山帯のやや湿り気のある陰地に生えています。

花の中心には多数の雄しべと2個の雌しべが存在し、黄色いです。花が芙蓉に似ていることから、ハルフヨウ(春芙蓉)やヤマフヨウ(山芙蓉)とも呼ばれています。葉は掌状であり、茎に2~3枚の葉が互生します。1属1種の日本固有種です。

新潟県にある妙高市の市の花に選ばれています。

基本情報

和名:漢字
白根葵
学名
Glaucidium palmatum Siebold et Zucc.
分類:目
キンポウゲ目 Ranunculales
分類:科
キンポウゲ科 Ranunculaceae
分類:属
シラネアオイ属 Glaucidium
分類:種
ヤマシャクヤク G. palmatum
花期
5~7月
分布
北海道~中部
分布地
日光白根山, 谷川岳, 秋田駒ヶ岳, 目国内岳, 白神山地, 八幡平, 野反湖
その他

詳細情報

シラネアオイの花
萼片は広卵形です。
シラネアオイ
花の裏

雪解け後の斜面に生育していることが多く、暑さに弱く寒さに強い山野草です。冬は地上部が枯れて、地下部のみで越冬します。

シラネアオイ

果実は方形の袋状になっており、1つの果実に種子は30~40個あります。

シラネアオイの葉
シラネアオイ
雨の日は花を閉じがちです。

雨が降ると花粉を雨から守るために萼片を閉じがちですが、必ずではありません。翌日晴れれば、再び萼片を開きます。