ベニバナヤマシャクヤクとは、淡紅色の花を咲かせ、ヤマシャクヤクに似ていることが名前の由来になっている多年草です。ヤマシャクヤクとは柱頭の形が違うため、別種となっています。花は径4~5㎝あり、花弁は5~7枚、開花すると3~4日で散ってしまいます。草丈は30~50cm程になり、葉は有柄で2回3出複葉、小葉は卵形または楕円形です。
山中の明るい林床に生育しています。個体によって花にある花柱の数は2~7個と差異があります。地下茎は横に這い、塊根状の太い根を出します。
都道府県の大半において、絶滅危惧種に指定されており、場所によっては指定希少野生生物に指定され無許可採集が条例で禁止されています。
和名:漢字
紅花山芍薬
学名
Paeonia obovata Maxim.
分類:目
ユキノシタ目 Saxifragales
分類:科
ボタン科 Paeoniaceae
分類:属
ボタン属 Paeonia
分類:種
ヤマシャクヤク P. obovata
花期
5~6月
赤リスト
環境省カテゴリ:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
東京都:絶滅危惧IB類(EN)
神奈川県:絶滅危惧IB類(EN)
東京都:絶滅危惧IB類(EN)
神奈川県:絶滅危惧IB類(EN)
分布
本州~九州
分布地
高尾山, 丹沢
その他
蕾(5月7日)
高尾山(5月26日)
種子は発芽するまでに2年を要し、発芽してから開花までは更に3~4年かかります。シカの不嗜好性植物であるため食害被害はなく、群生することもありますが、数が増えるまでに年数が必要です。
ヤマシャクヤクと異なる点は、花色だけでなく、柱頭がやや長くて外側に強く曲がること、また葉の裏面に粗い毛があること、花は葉から抜きんでて咲くこと、芽出しや開花が1ヶ月程遅いことです。葉の裏に毛が無いものをケナシベニバナヤマシャクヤクと呼びます。また花が白色のシロバナベニバナヤマシャクヤクも存在します。毛無しと白花は保護されている群生地、京都府南丹市美山町内久保では一般的に見られます。
高尾山(5月29日)
高尾山(5月28日)