ホンゴウソウとは、草丈が2~10cmほどしかなく、極めて細い目立たない多年草です。全草が紅紫色の光合成をしない腐生植物です。総状花序で、上部には花被片が4~6裂している雄花があり、見た目はヒトデのようです。下部にはウニのようなトゲトゲした球体の雌花があります。三重県にある楠町本郷で発見されたのが名前の由来になっています。
地上に姿を見せてから1ヶ月以上、姿をとどめています。地面に目を近づけて探さないと見つからない植物です。ヒナノシャクジョウが生息する場所に生息することが多いため、ヒナノシャクジョウを見つけたらホンゴウソウも側に生息していないか探すのが一般的な見つけ方になっています。
花後の花序は翌年も朽ちずに残る場合があり、全体が褐色です。
和名:漢字
本郷草
学名
Sciaphila nana Blume, Sciaphila japonica Makin
分類:目
タコノキ目 Pandanales
分類:科
ホンゴウソウ科 Triuridaceae
分類:属
ホンゴウソウ属 Sciaphila
分類:種
ホンゴウソウ S. nana, S. japonica
花期
7~10月
赤リスト
環境省カテゴリ:絶滅危惧II類(VU)
東京都:絶滅危惧IA類(CR)
神奈川県:絶滅種(EX)
静岡県:絶滅危惧IB類(EN)
東京都:絶滅危惧IA類(CR)
神奈川県:絶滅種(EX)
静岡県:絶滅危惧IB類(EN)
分布
本州(関東以西), 四国, 九州, 沖縄県
分布地
葦毛湿原, 高尾山, 秋吉台, 極楽寺山, 伊豆諸島, 名古屋市東山動植物園, 清澄山
その他
7月下旬の蕾
ヒトデのような雄花と有毛の丸い雌花
地下には白い根茎があります。光合成をしない菌従属栄養植物であるため退化した鱗片状の葉は、長さ約1.5mmです。土壌中の菌から栄養を奪って生きています。山地や丘陵地、平野など様々な標高にある落葉樹林の林床地で自生しています。
果実
雄花と果実に成りかけの雌花
小さな蟻と比較した大きさです。蟻よりも草丈はありますが、とても細いため目立ちません。右の株は上部に蕾が幾つかあります。
ホンゴウソウ科の植物はどれも似たような姿をしており、ホンゴウソウの他に、ウエマツソウ、タナカソウ、タカクマソウ、ヤクシマソウ、オキナワソウ、オモトソウ、スズフリホンゴウソウなどがあり、主に九州以南にこれらの多様な種が存在します。
9月
膨らんだ果実
咲き終わり
愛知県