ヤセウツボ
海外から輸入された牧草に混入して国内に定着した一年生の植物です。葉は退化して葉緑素を持たないため、光合成をしません。他の植物から栄養を奪う寄生植物で、特にマメ科植物に対して好んで寄生します。
国内で初めて確認されたのは、1937年の千葉県です。地中海沿岸原産で、ヨーロッパやアメリカ、アジアなど世界中に幅広く分布します。マメ科以外にも、セリ科やキク科など様々な植物に寄生できます。寄生するマメ科としてはシロツメクサやアカツメクサが代表的です。
名前の由来は花の形が矢を入れる靭(うつぼ)に似ているからであり、名前が同じ由来で同属のハマウツボと比べて見た目が痩せているのため、痩せた靭と呼ばれます。

基本情報

和名:漢字
痩靫
学名
Orobanche minor Sm.
分類:目
ツツジ目 Ericales
分類:科
ハマウツボ科 Orobanchaceae
分類:属
ハマウツボ属 Orobanche
分類:種
ヤセウツボ O. minor
花期
4~6月
分布
本州、四国、九州
分布地
イシックス馬入のお花畑(平塚市)
その他

詳細情報

色素が抜けて黄色くなったアルビノ個体がおり、キバナヤセウツボと呼ばれています。変種ではなくアルビノとしての認識です。
花は下から上に向かって順番に咲きます。
5月2日(平塚市)
下の花を咲かせながら、穂状花序を上へ伸ばしていきます。長くなると、茎の約半分ほどの長さにもなります。茎は分枝しません。
全体に短い腺毛を持っており、花粉を作る丸い袋状の葯は暗褐色です。複数の花弁からなる花冠を持ち、淡黄色で、花冠の先端が紫色を帯びています。上唇は先が凹んでおり、下唇は3裂しています。草丈は50cmほどまで伸びます。
アカツメクサに寄生
シロツメクサに寄生
花は褐色に変化し枯れますが、脱落せずに残って果実を包んでいます。種子は散布された後、10年以上も生存できるほど生存力が強いため、農地で牧草などの作物に寄生されると駆除が大変です。

ヤマウツボ

ヤマウツボ
同じハマウツボ科で、見た目が似ている寄生植物としてヤマウツボがあります。こちらは樹木に寄生し、森の中で見かけます。