朝食は民宿(志保)で食べました。500円でお魚定食です。安納芋が甘くて印象的でした。
朝8時過ぎに屋久島周遊ツアーバス「やくざる号」のお迎えが民宿前に来て、バスに乗り込みます。
屋久島を1周するツアーで、屋久島を走る一般のバスだと通らない西部林道が観光先に入っています。ここは世界遺産になっており、レンタカーかツアーじゃないといけない場所です。道が細くくねくねしているため、レンタカーの場合、ドライバースキルが要求されます。
ツアーは7人で午後からの参加予定者も3人いたのですが、悪天候のため3人はキャンセルになりました。半日観光だと2500円。一日観光だと昼食付で5000円になってます。
ベルトラと言うサイトでこのツアーに申し込んだのですが、団体のツアー客で空きがないと申し込んで数日後に返事が来てキャンセルになりました。まったく同じツアーを旅★スタで申し込んだら、申し込み時に決済でき、決済完了ってことは参加確定なので今ツアーに参加できています。人数も7人と少なくて結果良かったです。
最初は千尋の滝に向かいました。天気が悪いため水量が多く迫力があります。ただし、悪天候だとガスって滝が見えない可能性もあるので運が良かったです。
雨はまだひどくないですが、午後は更に悪化する予定で、山へ行く予定の観光客が山へ行かず千尋の滝などの観光地へなだれ込む可能性があるとガイドの人が言っていました。
次の見学先はアーチ状に広がる中間ガジュマルで、樹齢300年を越えるようです。
大川の滝は間近に見れますが、足元の岩が濡れて滑るため注意が必要です。個人的には千尋の滝の方が好みです。
ツアーバスで西部林道を通ります。世界遺産に登録されてからは道路の幅を拡張できないため、一車線のような道幅を通ります。対向車が来るとすれ違える場所まで移動しないといけないため、ゴールデンウィーク等は通過するのにすごく時間がかかるようです。
途中で下車し、西部林道を歩いて観光します。登山を中止したであろうツアーのミニバンとレンタカーが数台通過しただけで、思った以上に静かでした。
昨日の縄文杉トレッキングツアー客の数を考えると、ツアーは中止になっていないのかもしれません。けれど昨日登山ガイドが中止だろうと話していたし、今日のツアーガイドも同様の考えだし、どうなんでしょう。
こちらが世界遺産を認定するかどうかを決めるのに派遣された調査員が感動した景色と言われています。日本にまだこんな照葉樹林が残っていたのかと感動したみたいです。調査員は当初屋久島に期待していなかったようなので、自然の魅力は偉大ですね。
林道を歩いているとヤクシカに遭遇しました。子供かと思いきや、これで立派な大人のサイズです。本土のシカより小さいのが特徴です。
(๑•ᴗ•๑)/カワイイ
バスに戻り西部林道を通過するとヤクザルの群れに遭遇しました。2日目のタクシーの中で見た時は夜が明ける前だったので、姿が良く見えて嬉しい。
対向車とほぼすれ違う事ないまま林道を終え、いなか浜にやって来ました。この時期、深夜になるとウミガメの産卵が見られるようです。見てみたいけれど、この天気だと難しそう。昔は卵をよく食べていた文化があり、採取するのは子供の仕事だったようです。
宮之浦地区まで来たらふるさと市場で昼食です。ここはツアー会社と同じ系列とのこと。トビウオ定食で、トビウオは1匹の半分のサイズでしたが、味は美味しいです。市販で売っているようなから揚げの調味料が使われており、トビウオの美味しくない淡泊さが抑えられていました。
午後になると下界の方でも雨が強くなってきました。次は屋久杉ランドに行く予定です。バス内でガイドさんがツアー参加者一人一人に屋久杉ランドへは行かずに屋久杉自然館で良いか聞いて回ってました。結果、全員が屋久杉自然館に行く事を受諾して向かうことになりました。
屋久杉ランドと比べると屋久杉自然館の魅力は無に等しいですが、屋久杉ランドは土砂崩れの危険があるためやむを得ないです。一人でも屋久杉ランドに行きたい人がいたらツアー会社の規則上、屋久杉ランドへ向かう事になっていたのですが、すぐに屋久杉自然館にして良かったと思う事になります。
屋久杉自然館の見物を終え、後は各宿泊地にツアー客が戻れば終わりです。安房地区で下車する客は全員バスを降り、残るは宮之浦地区だけになりました。しかし雨量が多いためか道の至る所で水が噴き出し、川のようになっていたり通行止めが発生しています。
屋久島の交通の弱点は迂回ルートがない事です。そして、土砂崩れによって交通不可になり、ようやく通行できるようになるまで2時間程かかりました。車内で2時間足止め待機している間、歩道専用の橋が崩壊したり、屋久杉ランドで3か所土砂崩れが発生したり、屋久杉ランドや荒川登山口とこちらを繋ぐ道が土砂崩れで通行不能になった等色んな情報が入ってきます。SNSではトロッコ道が滝になっている様子がアップロードされていました。
もし屋久杉ランドに行っていたら、土砂崩れで怪我の可能性があったり、そもそも観光できなかったりしてました。また帰ってくる事が出来ずに車中泊になっていたかもしれません。
どうしても屋久杉ランドに行きたい気持ちよりも命を選択して良かったと思いました。
無事に宿まで送り届けてくれたドライバーさんとガイドさんには感謝です。水が溢れて普通車がまともに通過できない道や、土砂で苦戦する道を巧みな技術で慎重にバスを走らせるドライバーさんは昨日荒川登山バスを運転していた人でした。ガイドさんはもし宮之浦地区に行けなかった場合の宿泊先を一緒に探してもらったり親身になってくれました。
とても感謝しています。今日は会社に泊まるようです。
今日の宿は民宿で海舟です。食事の提供はなしですが居酒屋も経営しています。そこで夕食を食べようと思ったら今日は貸切との事です。隣にスーパーマーケットAコープがあり買い出しに行きます。
夕食は宿の目の前にあった小花でトビウオの焼き魚定食を注文しました。トビウオは今まで揚げたものしか食べてなかったので、焼きも食べてみようと思いました。
ニュースでは屋久杉ランドや荒川登山口に行った人が雨で帰れずバスの中に取り残されている事を伝えていました。今日の大雨はツアー会社の方も、民宿の方も、夕飯を食べたお店の方も、生まれてきて初めての経験だと言ってました。
ちなみに同じ民宿に宿泊していて今日縄文杉トレッキングに行った客は翌日の夕方5時頃、宿に帰ってこれました。バスの中で一日過ごし、救出されるまでガイドが持っていた食料を食べて過ごしたそうです。262人が孤立し、自衛隊が派遣される事態になるとは誰も思うはずないですね。自然の驚異の怖さを学ぶ機会になりました。